石川県・和倉温泉の老舗旅館・加賀屋は12月25日、2026年冬に新館を開業すると発表した。和倉温泉にある加賀屋グループの「あえの風」「虹と海」「松乃碧」も、26年度中の再開を目指す。1月1日の能登半島地震で大きな被害を受けて休業していた。加賀屋の再開により、和倉温泉や能登地区の観光が本格的に復活する契機になると期待される。
新館は、現在の加賀屋から西に約550メートルの同社所有地に建設する。隈研吾建築都市設計事務所が設計を担当。地上5階建てで、客室50室や大浴場、テラス、伝統文化体験スペースなどを備える。全室を七尾湾のオーシャンビューとし、露天または半露天の温泉風呂を付ける。
加賀屋流のおもてなしに加え、自動化機器やエコ機器の導入により環境負荷を低減させる。同社営業企画課は「時代のニーズにマッチした加賀屋ならではのおもてなしをご提供させていただきます」としている。
「あえの風」「虹と海」「松乃碧」の3館は、必要な修繕を終えた旅館から順次営業を再開する。
それに合わせて、加賀屋グループ全体のリブランディングを行う。「加賀屋 真・RYOKAN計画」と銘打ち、各館の特長の明確化・差別化を図る。料理や温泉を通じて能登の文化や食材を発信し、地元の各産業と連携。地元の幅広い業界への経済波及効果を狙う。
加賀屋は1906年に和倉温泉で創業。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で総合1位を通算40回以上獲得。のと共栄信用金庫の主要取引先でもあり、全国の信用金庫など金融機関の顧客旅行も多く受け入れてきた。
【記事提供:ニッキン】