北海道がこのほど発表した2009年度の観光入込客数(実人数、外国人含む)は、前年度比0.5%減の4682万人だった。リーマン・ショックなど国際的な金融危機の影響を受けた08年度の4707万人を下回り、現行の統計基準を採用した97年度以降で最低値となった。秋の大型連休「シルバーウイーク」などの増加要因はあったが、新型インフルエンザの流行や景気の低迷などが響いた。
観光入込客の内訳は、道外客(外国人含む)が4.9%減の597万人、道内客が0.1%増の4085万人だった。全体に占める割合は道内客が87.2%、道外客が12.8%。全体を日帰り・宿泊客別でみると、日帰りは0.8%増の3328万人、宿泊は3.8%減の1354万人だった。
減少要因には新型インフルエンザや景気低迷のほか、函館〜関西、女満別〜関西間の航空便の休止、夏季の天候不順などが挙げられる。シルバーウイークをはじめ、「ねんりんピック北海道・札幌2009」の開催や高速道路料金の割引制度の導入などの効果も全体数の引き上げにはつながらなかった。
エリア別(延べ人数)では、観光施設「花畑牧場」の人気や道の駅のオープンなどで十勝だけが2.9%増の900万人と前年度を上回った。他のエリアは、道央が0.6%減の7370万人、道北が1.6%減の2219万人、道南が4.6%減の1035万人、オホーツクが3.7%減の810万人、釧路・根室が5.9%減の766万人だった。
観光入込客数(実人数)のうち外国人客だけをみると、前年度比2.0%減の67万5千人だった。中国は道東を舞台にした中国映画のヒット、訪日個人観光査証の発給などで95.6%増の9万3千人と大幅な伸び。一方で景気低迷や円高、新型インフルエンザの影響が大きかったとみられ、台湾、韓国などは減少した。例年構成比の大きい台湾は20.5%減の18万1千人。韓国は2.7%減の13万5千人。一方で香港は1.2%増の12万8千人だった。