ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏をモデルにしたNHKの連続テレビ小説「マッサン」の舞台である北海道余市町が観光客でにぎわっている。
政孝氏が1934年にスコットランドの蒸留所をモデルに建てたのが、今のニッカウヰスキー北海道工場余市蒸留所。
ドラマのキャストが発表された昨年3月から、工場を訪れる観光客が急増し、昨年1年間で前年比68%増の約47万人になった。
ドラマの舞台が余市に移った今年1月からは、冬季にもかかわらず、休日には3千人を超え、平日でも約千人の観光客が訪れている。
余市蒸留所は、西欧風のアーチ門をくぐると、広大な敷地に赤い屋根と石壁造りの約10棟の建物、20数棟の大きな貯蔵庫が立ち並ぶ。工場設立時の木造の事務所や政孝氏や妻のリタさんが暮らした住居なども残っている。
余市蒸留所では、原料の大麦からモルトをつくって発酵させ、それを石炭直火方式の伝統的な製法で蒸留、樽詰めにして貯蔵庫に寝かせる作業が行われている。
観光客は、ドラマのストーリーと重ね合わせながら製造工程などを学び、ウイスキーの試飲、売店での買い物、レストランでの食事などを楽しんでいる。
余市町では、「マッサン」ブームを生かした観光客の誘致拡大に取り組んできた。JR余市駅前に情報館を設置したほか、地場産品の販売や飲食店のオリジナル料理の提供などを推進してきた。
町内では「リタロード」と名付けられたメーンストリート沿いにスコットランド風の建物を整備する事業も進められている。
余市町商工観光課では「『マッサン』ゆかりのスポットのほかにも、日本人初の宇宙飛行士の記念博物館や縄文期の遺跡など、見どころがいっぱいある。食べ物もおいしい」とPRしている。
観光客でにぎわうニッカウヰスキー余市蒸留所