帝国データバンクによると、ホテル運営の十勝川ゴールデン観光(北海道音更町)は、3月15日に釧路地裁帯広支部から破産手続き開始決定を受けた。
同社は1971年創業、77年4月に法人改組したホテル運営会社。天然モール温泉などで知名度の高い十勝川温泉街の一角に所在する旅館としてスタートし、91年8月には総工費約8億円を投下してホテル「ホリデーインホテル十勝川」を建設。安価な価格設定によって観光客や地元町民などからの評価を獲得し、2000年1月期の年収入高は約4億円を計上していた。
しかしその後は、施設の老朽化や競合激化によって利用客は減少、19年1月期の年収入高は約7千万円まで減少していた。
さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響によって利用客の減少が続く中、回復が期待された「Go Toトラベルキャンペーン」が休止、再開が延期となったことなどを受け21年1月10日には休館を余儀なくされていた。
その後、事業再開のめどが立たなくなり、不動産売却による負債圧縮を進める予定であったが、実際の売却額では負債圧縮には至らなかったため破産に至った。
負債は約3億円だが変動する可能性がある。