JTBパブリッシングは、福島県南相馬市の「食を通じた魅力向上事業」の一環として、南相馬市の新作カツオ料理をアピールする取り組みを開始した。第1弾として、東京都新宿区の直営飲食店舗「るるぶキッチン にくたび」でカツオ料理を提供する「南相馬市特集フェア」を1日から実施している。
伝統行事「相馬野馬追」が有名な南相馬市では、野馬追がカツオの取れる時期と重なることから、戦に「勝つ」という縁起物として各家庭でカツオ料理を食す文化がある。福島県はカツオの消費量が全国で2位という。
るるぶキッチンでは、南相馬市内の飲食店やホテルが開発したカツオ料理を提供。野馬追の馬に見立てて包んだカツオの餡(あん)入りの「カツオ馬面餃子(ギョーザ)」や、調味料に隠し味として相馬味噌(みそ)を使用し、カツオに味付けをした「カツオの焼漬け寿司(ずし)」など六つのメニューをそろえている。
南相馬市特集フェアは28日まで展開。その後、11月下旬から年内いっぱいまでは南相馬市の飲食店20~30店舗でカツオ料理を提供していく。また、JTBパブリッシングは、南相馬市の魅力を紹介するガイドブックも発行する。
南相馬市の門馬和夫市長は、「南相馬市は東日本大震災と原発事故の風評が今なお市民や生産者に重くのしかかる。今回、『被災地』というイメージを『魅力あるグルメのある街』というポジティブなイメージに上書きすべく、市一丸となって魅力的なグルメの開発やその発信に取り組む」と話す。
カツオを使った串揚げや餃子、ちくわ磯部揚げ