新型コロナウイルス感染症に伴う対策で厚生労働省は14日、日中間を往来する旅行者の急激な減少などで経営に影響を受けている事業者を対象に雇用調整助成金の特例の適用を開始した。訪日中国人観光客の利用がなくなった旅館・ホテルや観光バス会社、中国向けのツアーの取り扱いができなくなった旅行会社などが対象となる。
雇用調整助成金は、経済上の理由で事業の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員を一時的に休業させたり、教育訓練を行ったりして雇用を維持した場合に休業手当てや賃金の一部を助成する制度。
特例の対象は、前年度または直近1年間の中国関係の売上高や客数などが全体の10%以上である企業。通常は、「最近3カ月間」の売上高などの月平均値が、前年同期と比べて10%以上減少していることが要件だが、この比較期間を「最近1カ月」に短縮する。
適用は1月24日~7月23日の間に開始した休業など。通常は、休業などの計画届は事前の提出が必要だが、1月24日以降に初回の休業があるなどの計画届については3月31日までに提出すれば、事後の提出でも認める。
助成率は休業手当てなどの負担額に対し、中小企業で3分の2、大企業で2分の1。支給限度日数は1年間で100日。
問い合わせは厚労省の都道府県労働局まで。