厚生労働省と観光庁は、訪日外国人旅行者の増加、在留外国人の増加を踏まえ、外国人患者を受け入れる医療機関の情報を集約し、一元的なリストを作成している。9月開幕のラグビーワールドカップ(ラグビーW杯)、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを控え、このほど一部地域の医療機関リストを先行して公開した。
政府は、「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」を策定し、訪日旅行者が安心、安全に医療を受けられる環境の整備を推進。また、在留外国人についても、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を策定し、全ての居住圏で外国人患者が安心して受診できる態勢の整備を進めている。
外国人患者の受け入れ情報に関しては、「さまざまな医療機関のリストがあって分かりづらい」「医療機関の受け入れ姿勢に差がある」などの課題が指摘されていた。厚労省と観光庁は、都道府県による受け入れ医療機関の適格性の審査を経て、連携して一元的なリストの作成に取り組んでいた。
今回のリストは中間とりまとめとしての公表で、ラグビーW杯やオリンピックなどの開催地、訪日外国人旅行者の多い地域などの医療機関を先行して公表。9月中旬をめどに医療機関リストを多言語化し、日本政府観光局(JNTO)のホームページで外国人旅行者向けにも公開する予定。対応言語は英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語。
医療機関リストの掲載情報は、住所や連絡先、診療科、受付時間をはじめ、対応言語、クレジットカード対応、外国人向け医療コーディネーターの有無など。入院を要する救急患者への対応が可能な医療機関を示すカテゴリーも設けた。
都道府県による医療機関のさらなる選出を経て、10月以降に情報を更新した医療機関リストを公表する予定。情報は順次更新していく。
医療機関リストは、厚労省、観光庁のホームページから閲覧できる。