参加型ローカル体験プログラム 「城崎温泉ステキ旅」が始動した。
城崎温泉は、温泉寺の開祖である僧・道智上人の1000日間の修行によって、奈良時代に開湯したと伝えられます。今年(2020年)は、その縁起由来の年から、1300年の記念すべき年にあたります。
2019年11月、外国人の方を含むすべてのお客さまに、まちのご案内と旅館の案内をトータルに行える「城崎温泉観光センター(以下、観光センター)」をJR城崎温泉駅前に設置しました。そして、観光センターを拠点に、城崎温泉をより深く知っていただき、まちのファンづくりにつなげようと、参加型のローカル体験プロブラムを常時受付・開催できる取り組みを新たに始めます。
定番ガイドツアー系プログラムは、ほぼ毎日定時にスタートする「城崎温泉まちぶらガイド」、浴衣女性ガイドの案内する「城崎温泉ステキ体験ツアー」は、観光センター公認・城崎案内人など、地元愛溢れる有志でガイドを務めます。
また、体験プログラムは、「アクティビティ」「リラックス」「想い出」「学ぶ」「味わう」の5つがテーマ。地元事業者自らが体験ガイド役を担います。伝統の「麦わら細工体験」など歴史ある温泉地ならではの体験や、お肉やお魚、お酒といったローカルグルメ体験、プロカメラマンによる個人撮影など、まずは10以上のオリジナルプログラムからスタート。近隣の観光地とも連携し、城下町・出石や山陰海岸・竹野での体験プログラムも取り揃えました。
「城崎温泉ステキ旅」は、2020年3月3日より「城崎温泉ステキ体験旅行社」公式サイト( http://kinosaki-onpaku.jp/ )と観光センターカウンターにて予約を開始しており、3月20日より開催スタートします。
※事業としては、地元団体の出資により運営されているまちづくり会社「株式会社 湯のまち城崎(令和2年1月、地域限定旅行業取得)」が旅行企画・実施主体となります。そして、愛称として「城崎温泉ステキ体験旅行社」を名称利用し、募集・販売している形を取っています。
◯城崎温泉について
兵庫県豊岡市にある、1300年の歴史を誇り、有馬・白浜と並び称される関西有数の温泉地。志賀直哉の小説『城の崎にて』でも有名。日本海に近く、カニなどの海の幸が楽しめ、大阪・京都から約3時間、特急1本で来ることができる距離にあります。7つの外湯をはじめ、浴衣でまちをめぐることができ、女性を中心に幅広い年代層に人気で、地区の中央を流れる大谿川(おおたにがわ)の両岸に並ぶ枝垂れ柳と木造三階建ての旅館建築物が並ぶ風景は、「日本の温泉街=THE BEST ONSEN TOWN IN JAPAN」として、国内・海外の観光案内に取り上げられています。
◯城崎温泉の観光まちづくりについて
大正14年(1925年)の北但大震災の復興時に、外湯を中心とするまちづくりを行い、現在に至る街並みの基本が成立。まち全体を旅館に見立て、「駅は玄関、道は廊下、宿はお部屋で、外湯がお風呂……」という「共存共栄」を旗印に、地元主導の観光まちづくりを推進。近年は、城崎温泉観光協会による集客・PR事業、城崎温泉旅館協同組合による宿泊キャンペーン事業、まちづくり会社・湯のまち城崎による街並み活用・収益事業等が相乗効果を生んでいます。豊岡市「城崎国際アートセンター」との連携も進めております。
◯本事業の取り組みが目指すところ
世界的なアクティビティ・体験観光の人気拡大と「地域ローカル」が魅力的な観光資源として評価されるなか、城崎温泉の魅力について、地元の「人」を通じて体感・体験できるプログラムを日常的に実施。エリアとして取り組むことで、「日本の温泉街・城崎温泉」の魅力と可能性を広く知っていただくとともに、外国人を含むより多くの観光客等が「城崎温泉ファン」となることを目指しています。
◯「城崎温泉ステキ体験旅行社」について
城崎の町衆・観光関連団体でつくる地元活性化会社「株式会社湯のまち城崎」 その旅行部門(地域限定旅行業取得)の愛称です。平成24年5月から、計7回にわたり季節行事として行われてきた「城崎温泉泊覧会(城崎オンパク)」の実行委員会を母体としています。当時、20代後半~40代女性の顧客離れに悩んでいた城崎温泉では、顧客目線で地域の魅力を発信・体験できる新しい取り組みとして、年1~2回、2週間~1ヶ月間、50程度のプログラムを各2~10日開催する仕組みを、城崎温泉観光協会等の支援で継続開催してきました。ステキ体験旅行社は、その実行委員会を引き継ぎ、地元女性が中心となって「ステキ旅」のプログラムを企画相談できる体制となっています。
◯取り組みの特徴、オリジナリティ
《地元ガイドによる案内》
体験プログラムには、それぞれ個性的なガイド役がいます。お寺の住職、伝統工芸の職人、魚屋の女将やプロカメラマンなど、すべて地元で事業を営むプロフェッショナルな方々です。
《女性目線のプログラム企画・運営》
プログラムはすべて、実施する地元パートナーが企画立案します。その内容は、城崎温泉ステキ体験旅行社(実行委員会)において、企画相談会を経てプログラムとして実施される仕組みです。顧客目線でプログラムを立案し、まちの魅力を発信・体験できる仕組みになっています。
《観光センターによる常時の開催・案内が可能に!》
城崎温泉の総合インフォメーションを担う観光センターの設置により、常時の体験案内が実施可能になりました。海外のお客様を含め、宿泊場所を決めたのちに地元ならではのアクティビティや体験プログラムに参加する、新しい旅のスタイルが定着しつつあります。時代の変化に対応し、ステキな体験と小さな冒険をまちぐるみで提供できる仕組みを目指しています。
《地域内の観光地間での連携》
城崎温泉の周辺には、魅力的な観光地があります。ステキ体験旅行社では、積極的に近隣の観光地と連携してプログラムを企画・開発し、発信と販売を行っていきます。まずは、城下町・出石と山陰海岸・竹野のプログラムを観光まちづくり組織と連携して企画していきます。
《旅行会社等との連携》
今後、国内各旅行社とも連携し、各社経由の城崎温泉宿泊の旅行客に対する「ステキ旅」への案内や共同企画・販売・商品開発を進めていきます。
《城崎温泉ステキ体験旅行博による事業の掘り起こし》
「城崎温泉泊覧会」の仕組みを引き継ぎ、季節開催する「城崎温泉ステキ体験旅行博」を2020年10月24日~11月23日まで開催予定。50あまりのプログラムを季節限定で企画提供する予定。新規の常時や季節プログラム発掘・開発の役割も担っています。なお、今年度は、城崎温泉開湯1300年事業の一環としても開催される予定です。