“反転攻勢”の契機に ツーリズムEXPO 4日間で12万2千人来場


初日のオープニングセレモニー

4年ぶり東京開催

 「世界最大級の旅の祭典」ツーリズムEXPOジャパン2022(主催=日本観光振興協会、日本旅行業協会、日本政府観光局)が9月22~25日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた。コロナ禍で2年ぶり、東京では4年ぶりの開催。世界78の国と地域、1018の企業・団体が出展し、4日間で延べ12万2千人が来場した(速報値)。世界7カ国の観光大臣らが出席した観光大臣会合やシンポジウムなど各種のプログラムも展開。会期中に首相から「全国旅行支援」の開始や水際対策のさらなる緩和が発表され、主催者は「新しい時代にマッチしたツーリズムの境地を切り開く」と、イベントを契機としたコロナ禍からの反転攻勢に臨む姿勢を強調した。

初日のオープニングセレモニー

 

 9月22日に開かれたオープニングセレモニーでは、日本観光振興協会の山西健一郎会長、日本旅行業協会(JATA)の髙橋広行会長、日本政府観光局(JNTO)の清野智理事長の主催3団体のトップのほか、来賓として石井浩郎国土交通副大臣、西田昭二国土交通大臣政務官、観光庁の和田浩一長官、国連世界観光機関(UNWTO)のイオン・ビルク賛助会員部本部長らが出席し、4年ぶりとなる東京開催を祝った。

 山西会長は「2年半にわたるコロナ禍で昨年の大阪での開催は延期となるなど、2年ぶりの開催となる」と、力強く開幕を宣言。また、全国旅行支援、訪日旅行においては入国者数の上限撤廃や短期滞在ビザの取得免除、個人旅行の解禁への調整が進むなど、観光業界の今後の明るい兆しを説明し、「コロナ禍を乗り越えての今回の開催が、観光需要の回復、観光産業の復活への足掛かりとなる絶好の機会」と展望を述べた。

 来賓としてあいさつした石井国交副大臣は「観光業界は、春先には回復傾向が見えたが、夏には感染第7波が訪れ、依然厳しい状況が続いている。県民割事業で財政的支援をする一方、全国旅行支援を速やかに実施したい」と各種支援の展開について言及。このほか、ワーケーションや第2のふるさとづくりなど、新たな交流事業にも取り組む方針を示した。

 UNWTOのビルク本部長は「日本は、2022年の旅客キロで前年同期比72%増と高い伸びを示すなど、回復の兆し」と説明。気候変動、物価高、続くコロナ禍など課題点を示した上で、「今が観光業を再構築し、能力を発揮する時だ」と日本の潜在力に期待を込めた。

 続く主催者会見では、主催3団体が開催に向けた意気込みを述べた。JATAの髙橋会長が「観光産業がリスタートをするきっかけに」、日観振の久保田穣理事長が「日本初となる持続可能な観光を国内外に発信」、JNTOの清野理事長が「世界の潮流に合った観光を展開し、ポストコロナに選ばれる日本を目指す」と話した。

■   ■

 22日には業界関係者参集のもと、オープニングレセプションが開催された。

 冒頭、JNTOの清野理事長は「コロナ禍を乗り越えて開催でき、会場内の皆さんの笑顔を見られてうれしい。今回の大会を、ポストコロナに向けた新しい旅の形を発信する好機にしてほしい」とあいさつ。JATAの髙橋会長は次回のツーリズムEXPOに向け「関西、大阪の皆さん、来年は皆さんが主役となる。力を合わせて頑張っていきましょう」と呼び掛けた。

 会場には菅義偉前首相も来場。「かつての3千万人超のインバウンドを復活させたいとの思いで本日やって来た。安倍首相(当時)から『”観光立国”を初めての施政方針演説に入れたい』『外国からのお客さまを多く迎え入れたい』と言われてから、ビザを世界基準で発給し、3千万人を達成した。ビザが緩和され、現在の円安を生かす経済政策の先頭に立っているのは皆さんだ」と鼓舞した。

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