
新たに開設した社員寮「坂の上アパートメント メイン棟」の一室
古屋旅館、社員寮を新設 熱海に4軒37部屋
通勤利便性向上と離職率低減が狙い
株式会社古屋旅館は16日、熱海市内の自社隣地に新たな社員寮「坂の上アパートメント メイン棟」を開設した。創業1806年の老舗温泉宿が展開する社員寮としては4軒目となり、総部屋数は37に達した。
新設された社員寮は、「癒しと軽やかさ」をコンセプトに設計。館内には4部屋が用意され、家具や家電を備え付けた明るくスタイリッシュな室内空間が特徴だ。床や壁紙の色調、温かみのある照明の演出によって、従業員の心身の疲れを癒す住環境を実現した。セキュリティ面も万全で、全室に強固な防犯設備を導入している。
新たに開設した社員寮「坂の上アパートメント メイン棟」の一室
古屋旅館は数年前から従業員の職場環境改善に積極的に取り組んでいる。2020年には女子寮を新設したほか、2024年には熱海駅近くと旅館隣地に社員寮を開設。さらにクラウド型ビジネスチャットツールや動画マニュアル、次世代型インカムなどのデジタルツールを導入し、業務効率化と従業員の働きやすさの向上を図ってきた。
こうした取り組みの効果は数字にも表れている。女子寮開設以降の新卒離職率は8.3%(12人入社のうち1人退職)に抑えられ、厚生労働省発表の「3年以内離職率」(新規高卒者37.0%、新規大卒者32.3%)を大幅に下回る好成績を達成。新卒採用数も増加傾向にあるという。
古屋旅館の内田宗一郎代表は「お客様に喜ばれるサービスを提供するためには、従業員が安心して充実した生活を送ることが重要。今回の社員寮開設により希望する全従業員が入寮できる体制が整い、生活環境の満足度向上と通勤時間の短縮を実現できた」と語った。今後も従業員満足度向上の施策を継続し、「世界に誇れる日本の老舗旅館」を目指すとしている。
創業200年を超える老舗温泉宿「古屋旅館」