台湾観光、日本からの送客回復に期待  台湾代表団が東京でセミナー・商談会


商談会の様子

台湾観光庁・台湾観光協会は3月7日、東京・虎ノ門のオークラ東京で、台湾観光促進の旅行業界向けのセミナーと商談会を開催した。台湾各地の最新観光情報や各施設のキャンペーン企画などを紹介し、日本からの送客回復に向けて取り組みを強化する姿勢を示した。

最新の観光動向と送客インセンティブを紹介

日本からの訪台者132万人、国・地域別で1位に

台湾観光庁東京事務所シニアマネージャーの野村美智子氏が、台湾の最新の観光動向について詳細なプレゼンテーションを実施。

野村氏は「2024年の日本からの訪台者数は132万人となり、国・地域別で1位になった」と述べ、コロナ禍前の2019年比で約60%まで回復したことを報告した。一方で、台湾から日本への訪問者数が600万人を超えたことにも触れ、双方向の観光交流の不均衡を指摘した。

訪台日本人の特徴として、野村氏は① 観光目的の訪問が80.25%と増加傾向②年齢層別では50代・60代が活発、20代も上昇傾向③ 性別では女性の割合が増加ーの3点を挙げた。

野村氏は「世代や性別を含めて、大変バランスの良い平均的なマーケットを台湾が支持されている」と分析した。

台湾観光の現況を説明する台湾観光協会東京事務所の野村氏

教育旅行市場の成長に期待

野村氏は教育旅行市場の成長にも言及。「20年前には台湾を修学旅行先に選ぶ学校は14校しかなかったが、コロナ前の2019年には334校まで増加し、海外修学旅行市場の約4分の1を占めるまでに成長した」と述べ、今後の回復に期待を示した。

プロモーション戦略と最新トピックス

また、台湾観光局のプロモーション戦略について、野村氏は①観光アンバサダーとして妻夫木聡さんを起用し、「ビビビビ!台湾」キャンペーンを展開中であること②「台湾観光の100のスポットライトイベント」として、台湾22県の特色あるシーズンイベントをプロモーションしていること③台湾ランタンフェスティバルが2月に閉幕し、1500万人の来場者と230億台湾ドルの経済効果があったことーなどを報告した。

最新トピックスについては、① 2025年の台湾ランタンフェスティバルは嘉義で3月3日から開催すること② 台北の中正紀念堂での衛兵交代式が野外で開催に変更になること③高雄の人気スポット「龍虎塔」の外観塗装が完成し一般公開されること④タロコ渓谷観光のホテルが1月からソフトオープンしたことーなどの情報を共有した。

旅行会社向けインセンティブプログラムを継続

野村氏は、旅行会社向けのインセンティブプログラムについても説明。「インセンティブ・報奨旅行の誘致助成プログラムを継続し、30名以上のグループに対して各種助成が受けられる支援策を用意している」と強調し、旅行会社の送客促進を呼びかけた。

また、現地最新情報として、① ホテルでの使い捨てアメニティ提供の停止②ツアードライバーの運転時間制限の導入③台湾の入境カードのオンライン申請推奨④お酒の持ち込み免税枠が1.5Lに引き上げーを伝えた。

台湾観光代表団による商談会

セミナーに続いて行われた商談会では、台湾から来日した観光代表団が日本の旅行会社と活発な商談を行った。代表団には以下の団体が参加した。

【行政関係・団体】

台湾観光庁(交通部観光署)、(財)台湾観光協会

【現地旅行社】

台南市政府観光旅遊局、南投県政府観光處、台灣休閒農業發展協會、三普旅行社、東南旅行社、陽達旅行社、新亞旅行社、綺樂旅行社、開發旅行社、旅見旅行社、雄獅旅行社

【ホテル】

台北凱撒大飯店、北投雅樂軒酒店、台北老爺大酒店、台北亞都麗緻大飯店、台北怡亨酒店、台北凱達大飯店、台北晶華酒店、君品酒店、板橋凱撒大飯店、趣淘漫旅台北、城市商旅、虹夕諾雅 谷關、圓山大飯店、JR 東日本大飯店

【その他】

維格餅家

各団体は、台湾の最新の観光情報や施設の魅力、キャンペーン情報などを日本の旅行会社に紹介し、商品造成に向けた活発な意見交換を行った。

商談会の様子

台湾観光協会名誉会長らが日本からの送客に期待

葉名誉会長「2026年には改善されると信じている」

商談会に続いて行われた懇親会「台湾の夕べ」では、台湾観光協会の葉菊蘭名誉会長が挨拶に立った。

葉名誉会長は、2024年の訪日外国人旅行者数が3680万人を記録し、そのうち台湾からの訪日旅行者数が600万人を超えた一方で、日本から台湾への旅行者数は132万人にとどまっているという、6対1のアンバランスな状況を指摘した。しかし「2026年の始まりには改善されると信じている」と述べ、為替レートの改善にも期待を示した。

また、今年のゴールデンウィークを見据え、特に若年層をターゲットにした様々な台湾旅行商品を用意していることを紹介。「もっと多くの日本人に来ていただきたいという願いから、様々な工夫を凝らしている」と強調した。

台湾観光協会の葉菊蘭名誉会長

 

大原理事長「様々な体験をお客様にお届けしたい」

日台観光促進協会の大原浩理事長は、2024年に台湾を訪れた日本人旅行者が132万人で、台湾への訪問外国人の中では最多であることに触れ、「まだまだ頑張る余地はあるが、皆さんのおかげで少しずつ成果が出ている」と感謝の意を述べた。

大原理事長は、昨年10月に第2回となる「天燈上げイベント」を台湾で催したことを振り返り、今年も第3回の開催を検討していることを明らかにした。また、新たな取り組みとして6月には野柳でのライトアップイベントも計画している。「台湾で様々な体験をお客様にお届けしていきたい」と意欲を示した。

 
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