「地域に生きる、地域を活かす」がテーマ
和歌山大学観光学部は6月19日の通常講義「観光経営論(竹林明教授)」で、「地域に生きる、地域を活かす」をテーマに「特別公開講座」を開いた。さぎの湯温泉旅館竹葉(島根県安来市)の小幡美香氏、温泉旅館矢野(北海道松前町)の杉本夏子氏、ゆのごう美春閣(岡山県美作市)・鷲羽山下電ホテル(岡山県倉敷市)の永山泉水氏を招へい。3人の名物女将がそれぞれ講演を行った。
同学部観光経営論では毎年、実務家をゲスト講師に招き、講義を実施している。今年度は「笑う門には福来る~つながる令和新時代へ! 有名3女将から生の声~」と題して、特別に一般公開もした。
まず”どじょうすくい女将”として有名な小幡氏が、「現代の観光産業発展に欠かせない観光人材と経営手法」で登壇。自身の活動を踏まえ、「縁」と「笑顔」「情報拡散力」をキーワードに地域活動と自身の事業経営の関係について語った。
杉本氏は「旅館経営は手段であり最終目的は自分の住んでいる地域を生かすこと」と力説。自身がリーダーシップをとり活動している「津軽海峡まぐろ女子会」の活動を紹介し、観光事業戦略のベースとして地域事業戦略、地域でのキャッシュ循環の仕組みを形成する重要性を強調した。
最後は、女将自身をキャラクター化させ地域活性化と事業プロモーションへとつなげている永山氏が登壇。「みんなと一緒に地域活性化を!」と題し、自身の仕事観を含めながらさまざまな地域活動への関わりを紹介。その意義について熱く語った。
3人の女将の講演の後、学生と一般聴講者からの質疑応答に応える形でのトークセッションも実施した。
同大観光学部では、「2019年度観光カリスマ講座」を10月17日から12月19日まで計5回の日程で実施する。定員は社会人80人、観光学部生40人で受講料は無料。第1回には観光庁観光地域振興部観光資源課の河田敦弥課長が、11月7日の第2回には永山泉水氏が登壇する。
左から永山女将、杉本女将、小幡女将