和歌山県観光連盟は10月29日、東京都千代田区のホテルニューオータニで観光プロモーション説明会を開いた。旅行会社、メディアなど300人が参加。伝統文化の披露や岸本周平県知事らによるトークセッション、県産食材を使った料理などを通して和歌山の魅力を多角的にアピールした。
県は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」が今年で登録20周年を迎えたことを機に関係地域を「聖地リゾート」と位置付け、さまざまな観光施策を展開。来年には大阪・関西万博への出展も控え、国内外からの誘客にも力を入れる。
説明会では、県万博推進担当の中瀬雅夫参事が関西パビリオン内に出展する和歌山ゾーンについて紹介。「皆さんの予想を超えるような特別なものになるのではないかと考えている。ぜひお越しいただき、併せて和歌山にも足を延ばしてほしい」と来場を呼び掛けた。
その後は、全国各地で真言宗の御詠歌(ごえいか)を広める活動を行う金剛流合唱団が声明と御詠歌を披露。癒やし効果のある優しい旋律と歌声で会場を魅了した。
トークセッションでは岸本知事、俳優・タレントの村井美樹さん、熊野本宮大社宮司の九鬼家隆氏、総本山金剛峯寺・高野山真言宗高野山執務公室長の藪邦彦の4氏が県の魅力や現状について語った。
村井さんは、電車やバスを利用して熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の総称)を参拝したエピソードを紹介。これに対し岸本知事は、「公共交通機関を利用していただけるのはとてもありがたい。来ていただいた人に不自由させないよう2次交通の整備に力を入れていきたい」と意欲を示した。岸本知事は関係人口の拡大についても触れ、「羽田空港から白浜空港まで約1時間。長い目で2拠点移住、移住・定住を考えてほしい」とコメントした。
藪氏は福岡と和歌山での2拠点居住を20年間行っていることを明かし、その実現可能性を示した。
会場では熊野牛、紀州うめどり、うめたまごなど県産食材を使った料理や梅酒が参加者に振る舞われたほか、県内市町村のPRブースが設置され、各地の魅力を参加者に発信した。
フォトセッションの様子(右から2人目が岸本知事)