和歌山県は8日、首都圏向けの修学旅行セミナーを東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで開いた。旅行会社の担当者らが参加。「ほんまもん体験」として提案している体験プログラムや民泊体験の魅力をアピール。串本町を修学旅行で訪れた埼玉県の高校からは、旅行の成果などが発表された。
和歌山県は、修学旅行の誘致に向けて、世界遺産の熊野古道、ラムサール条約に登録されたサンゴ群落に代表される文化や自然を紹介。海、山、川を舞台に提供する体験プログラム、民泊体験を通じた地域住民との交流も魅力に挙げた。
受け入れ態勢に関しては、県観光交流課の飯田修章課長が「県内それぞれの地域に誘致、受け入れの協議会があり、体験プログラム、民泊の手配などがワンストップで可能になっている」と強調した。
県外からの修学旅行の受け入れ実績は、体験プログラムや民泊の充実により増加傾向にある。2005年度は6校だったが、10年度には37校、11年度には43校に達した。12年度は45校に上り、うち7校が首都圏からだった。
実施事例は埼玉県立越生高校が発表。昨年10月3〜5日の期間に2年生約130人が串本町を訪れた。滞在は2泊とも民泊。班別でカヌーによる川下りや水族館のバックヤード作業を体験した。
越生高校は、東日本大震災の発生に伴う準備の遅れなどもあり、修学旅行先を従来の北海道から和歌山県に切り替えた。同校教諭の青木孝夫氏は「行き先を発表した際、生徒の反応は薄かったが、旅行前の6月に串本水族館の館長に講演をお願いした。講演会を機に生徒の関心が高まった」と指摘。民泊や体験プログラムを通じて、生徒には普段とは異なる豊かな表情が見られたと報告した。
セミナーでは、各地域の誘致・受け入れ協議会が、農業や漁業の産業体験、カヌーといったアウトドアスポーツなどの体験プログラムの魅力を紹介。個別の相談会なども行った。
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