四国、九州の広域観光推進組織、四国ツーリズム創造機構と九州観光推進機構は19日、震災の影響を受ける地域の観光の現状を報告しようと、幹部らが観光庁の溝畑宏長官を訪ねた。国内観光、インバウンドにキャンセルが続出し、国際航空便の就航が延期になるなどしている状況を説明。旅行需要の早期回復が欠かせないとして、観光庁と連携して取り組む考えを伝えた。
訪問したのは四国ツーリズム創造機構の松田清宏会長(JR四国会長)と平尾政彦事業推進本部長、九州観光推進機構の大江英夫事業本部長。
四国、九州では国内観光で宿泊キャンセルが相次いだほか、3月20日に予定されていた徳島マラソンが延期になるなど大きな影響を受けた。インバウンドは激減し、高松〜上海間に予定されていた定期チャーター便などが就航延期になった。九州ではクルーズ船のキャンセルが30隻以上に上り、東アジアの都市を結ぶ航空便にも運休が出ている。
四国ツーリズム創造機構の松田会長は「四国、九州から観光を盛り上げて復興につなげたい」と述べ、観光庁に協力を要請。九州観光推進機構の大江本部長も「外客誘致ではまず平常通りだと知ってもらう必要がある。メディアなどの招請事業に力を入れていきたい」と説明した。
説明を受けた溝畑長官は「国内観光ではゴールデンウイークの旅行を呼びかけている。インバウンドでは安心につながる情報の発信を強化しセールスに努めていく」と述べ、四国、九州の観光関係者にも前向きな取り組みを求めた。
松田会長(写真中央)、大江本部長(同右)