四国から観光に元気。「東日本被災地の復興祈願及び元気な観光日本四国会議」が10日、香川県琴平町の紅梅亭で開かれた。日本観光旅館連盟四国支部連合会(河内弘志会長)、国際観光旅館連盟四国支部(住友武秀支部長)、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会四国ブロック(大木正治ブロック長)の3団体が主催。被災地の復興に加え、旅行などに対する過度な自粛の払しょくなどを政府に求める四国会議宣言を採択した。
日観連の近兼孝休会長の呼びかけで実現した。被災地への支援、自粛ムードを払しょくする趣旨で、旅館3団体を中心に地域の観光関係者と連携して宣言を出したのは全国で初めて。
会議には、四国の観光行政、団体、大手旅行会社の代表者ら65人が参加。香川県の浜田恵造知事、高松市の大西秀人市長、観光庁の山田尚義審議官も駆け付けた。東日本大震災の犠牲者に黙とうを捧げたほか、四国会議宣言を採択し、参加者全員で東日本への応援エールとして「がんばろう」をコールした。
近兼会長は、「古くからの友人を震災の津波で失った。また3月30日の旅館3団体会長会で、被災地の状況を聞き涙した」と述べた上で、「四国は1つ。今回の会議の開催も1週間でまとまった。被災しなかった四国、西日本から、東北に、東日本に復興の風を送りたい」と語った。
四国会議宣言は6項目で、震災復興や原発の安全確立のほか、(1)政府は、過度な自粛を行うことなく、平常通りの行動を行うよう国民に要請すること(2)政府は世界に向けて旅行客の安心につながる正確な情報発信を強化すること(3)元気な四国を積極的にPRする──などを盛り込んだ。
観光庁の山田審議官は「被災地はもちろん、震災の影響を受けている観光地にできる限りの応援をしたい。被災しなかった観光地も、自粛ムードによるイベント中止、観光客の減少で深刻な状況。過度な自粛ムードを払しょくし、観光で経済を活性化させることで日本を元気にし、復興につなげていくべき」と述べた。
観光庁の取り組みでは、正確な情報発信に努めていることなどを説明。関係省庁にも、放射性物質のデータなど分かりやすい情報の提供を求めているという。観光プロモーションに関して山田審議官は、「まず被害を受けていない西日本エリアと北海道。次いで東京など、その後に比較的被害が少なかった青森、秋田、山形。交通インフラが復旧してからは被災地、との順で実施していく」との考えを明らかにした。
出席者からは、国内観光振興の重要性や国内旅行活性化のキャンペーン実施、太平洋側の観光地の風評対策、被災地の支援活動の具体策などについて質問や意見が相次いだ。
四国会議宣言に盛り込んだ他の項目は次の通り。
政府は東日本被災地の復興計画を早急に策定すること▽政府は全力を挙げて一刻も早く福島原発の安全を確立すること▽東日本応援キャンペーンを実施する
参加者全員で「がんばろう」をコールした