観光庁はこのほど、全国から無作為で抽出した国民に回答を求めた旅行・観光消費動向調査の2012年1〜6月分を集計し、国内観光旅行の満足度、再来訪意向の結果を発表した。宿泊と日帰りを合わせた直近の国内観光旅行の満足度で「大変満足」と回答したのは18.5%、1年以内に再び訪問することを検討するとした再来訪意向で「大変そう思う」と回答したのは14.0%だった。観光立国推進基本計画(12年3月閣議決定)では、それぞれの数値を16年までに25%程度にする目標を掲げている。
旅行・観光消費動向調査は、旅行実施の有無や回数、宿泊数、支出などを聞くが、今回分から調査項目に満足度や再来訪意向を追加した。住民基本台帳から無作為抽出した1万2500人に半年ごとに年2回、郵送調査を実施している。
国内観光旅行の満足度、再来訪意向は、12年1〜6月の期間の直近の旅行についての回答。
満足度は、大変満足が18.5%だったほか、「満足」が48.0%、「やや満足」が24.2%、「どちらでもない」が6.3%、「不満」が2.9%。再来訪意向は、大変そう思うが14.0%だったほか、「そう思う」が29.0%、「やや思う」が19.2%、「どちらでもない」が18.2%、「思わない」が19.5%。
主目的地に対する満足度、再来訪意向を10地域別にみると、満足度の大変満足の割合は、トップが沖縄の29.5%で、その他上位は関東の21.5%、近畿の21.3%、北海道の20.2%、九州の18.3%。再来訪意向の大変そう思うでは、トップは沖縄の21.8%、以下は関東の17.6%、北海道の15.9%、近畿の15.3%、東北の14.0%などの順だった。
国内観光旅行を宿泊旅行に限って旅行単価別にみると、最も高額の区分である5万円以上の旅行者の満足度、再来訪意向が最も高かった。満足度の大変満足の割合は、5万円以上が23.3%、5万円未満3万円以上が19.1%、3万円未満2万円以上が17.9%、2万円未満が18.3%。再来訪意向の大変そう思うの割合は、5万円以上が15.3%、5万円未満3万円以上が11.3%、3万円未満2万円以上が13.6%、2万円未満が13.4%だった。
12年3月に改定された新しい観光立国推進基本計画では、国内観光の振興に関して、年間宿泊数に目標数値を設定しているが、量の拡大とともに質の向上を図ろうと、旅行者の満足度と再来訪意向にも目標数値を設けている。