国際観光文化交流協会(藤野公孝会長=全日本シティホテル連盟会長、流通経済大学教授)は4日、「国際観光文化フォーラムin京都2014」を京都センチュリーホテルで開いた。関西地区の観光業界の幹部ら100人以上が参加した。
国土交通省近畿運輸局の土屋知省局長が「関西における観光立国推進への取り組み」と題して講演。京都商工会議所観光・運動部会長の岩井一路氏(ハトヤ観光社長)は「これからの京都観光と京都商工会議所の取り組みについて」を、京阪電鉄の佐藤茂雄最高顧問と松本拓也経営統括室係長は「USJが示すこと」をそれぞれ講演した。
藤野会長は「人が動くこと、人を動かすこと、が観光の基本。これが力になり、人を元気にする」とあいさつ。本質的な観光の重要性を強調した。
土屋局長は「魅力的な観光資源が大阪から100キロ圏内に集中している。日本の世界遺産18カ所中5カ所が近畿圏にあり、国宝の約6割、重要文化財の約5割が所在する」と話し、関西の観光地としての優位性を示した。
岩井部会長は「13年の京都市内観光客数は過去最多の5162万人。そのうち外国人宿泊客数は前年比35%増の113万人で同様に過去最高を記録した」と紹介。その上で、京都市と京都文化交流コンベンションビューローが運営している訪日外国人旅行客向け外国語サイト「KYOTO TRAVEL GUIDE」を、今秋の公開をめどに刷新中で、「現在の8言語にアラビア語、トルコ語、タイ語、マレー語、ロシア語を加えた13言語で情報発信するようになる」と話した。
佐藤最高顧問と松本係長は「USJはハリーポッターエリアの開業にあたり、新たに千人のスタッフを採用したが、事前に5時間をかけて同映画の世界観を学ばせ、試験に合格した者のみをクルーとして現場に出している。また既存のローラーコースターのレールを使い、座席を後ろ向きにすることでアトラクションを見事にリノベーションした『バックドロップ』は、日本におけるアトラクション待ち時間を更新し、9時間40分とした」と紹介。「観光では、既にある資産を生かし再発見すること、手作りで行うことも重要」と述べた。
その他、観光情報流通機構の鈴木耀夫専務理事が「国連での活動と地域観光情報の発信」を、アジアメディアプロモーションの渡邊竜一社長が「クールジャパン・映画など、コンテンツが創り出す交流について」を講演した。
あいさつする藤野会長