ヴィソン多気 代表取締役 立花哲也氏
地域と共に100年続く「美しい村」へ
ＶＩＳＯＮは三重県のほぼ真ん中にある多気町に位置し、伊勢神宮・熊野古道など、周辺の観光地にも近いアクセスの良い場所にあります。広大な敷地に、四季を感じるホテル、日本最大級の産直市場、薬草で有名な多気町にちなんだ薬草湯、和食の食材メーカーによる体験型店舗、有名料理人が手掛ける地域食材を生かした飲食店舗、オーガニック農園など、約70店舗が出店する、多様性と専門性を兼ね備えた大型複合商業施設です。
多気町長より地元の農産物と歴史ある薬草栽培を軸に地域活性ができないかとお声がけいただいたことがきっかけでＶＩＳＯＮのプロジェクトがスタートしました。伊勢、紀勢両自動車道が交わる勢和多気ジャンクションに近く、東京ドーム24個分の広大な敷地に展開するというスケールの大きさから、イオンタウン、ロート製薬、ファーストブラザーズとともに合同会社「三重故郷創生プロジェクト」を設立しました。4社共同で事業に取り組み、8年の構想を経て2021年7月に開業いたしました。
食文化をテーマに、地元の農産物や薬草、伝統ある発酵食を学び体験する「美村（美しい村）」が施設名である「ヴィソン」の由来です。ぬか床で発酵させた漬物や、だしから取るみそ汁など、伝統の味や製法を大切に守る老舗や素材にこだわるメーカーや企業に出店いただいています。さらにはこの場で醸造や発酵といった製造業務も行い、ＶＩＳＯＮは日本の食、発酵文化を守り伝え発信する拠点としての役割も担っています。
その他のテナント様もいわゆるナショナルチェーンやコンビニエンスストア、自動販売機は設置せず、専門性が高く、唯一無二のこだわりの名店に出店していただいています。また建物は木材をふんだんに用い、伊勢神宮の式年遷宮を手本に、地元の大工さんと共に木を張り替えながら使い続けていきます。そして、店もデザインも100年先までも伝えたい日本が誇る食や文化が集結する施設として、サステナブルな新しい地方創生モデルを地域の皆さまと共につくりあげていきたいと考えております。
またこの地域は人口減少や、地域医療の減少、公共交通廃線など、他の地方と同様の課題を抱えています。ＶＩＳＯＮは周辺5町と連携し、デジタル技術の活用した課題解決に向けての取り組みも進めております。施設内にはオンライン診療が受けられるクリニックがあるほか、デジタル地域通貨を採用。さらには昨年末より自動運転車両を導入し、観光だけではなく誰もが利用できる持続可能な移動手段の実現を目ざしております。
今後もこの多気町から、100年続けられる地域活性化の成功モデルを発信していきます。
