坂本龍馬の生家の跡地に15日、「hotel nansui(ホテルなんすい)」が開業した。14日に行った開業セレモニーでは、浜田省司高知県知事、坂本家10代目当主の坂本匡弘氏らがテープカットを行った。
2022年2月に閉館した旅館「龍馬の宿 南水」を高知駅近くでビジネスホテル港屋を経営する港屋マネジメント(井口泰社長)が取得。宿泊施設向けプロジェクトマネジメント支援のリテラタス(東京都千代田区、池村友浩社長)がコンセプトメイク、クリエイター選定、改修事業推進などのホテルプロデュースを担当した。基本構想に7カ月、設計に10カ月、工事に7カ月をかけた。
地上7階建ての鉄筋コンクリート造り。改修前の旅館客室は全室30平方メートルの44室。リノベーションで、全33室(スタンダードルーム39平方メートル、スパスイートルーム80平方メートル)のラグジュアリーホテルに生まれ変わった。
外観や客室のベッドなど館内の随所に坂本家の家紋をモチーフにしたデザインを使用。1階には宿泊客以外の観光客や地域住民でも使用できる地域コミュニティスペースを設けた。
旅館の大浴場があった最上階の7階は、レセプションとフリードリンクのバーラウンジに生まれ変わった。坂本龍馬関連の書籍・資料などを集めたライブラリー、屋上テラスも設けた。
夕食は高知の食材を生かしたローカルガストロノミーのフルコース。朝食は、やはり地元食材にこだわった完全な和食を提供する。
宿泊料金は、1泊2食とバーラウンジの軽食・アルコール込みのオールインクルーシブで2人・8万4千円から。
同ホテル統括マネージャーの井口将貴氏は「『日常では味わえない、充実した時を通じて自分を”洗濯”できるホテル』を目指して開業させていただいた」とコメント。「坂本龍馬が産声を上げた屋敷跡という唯一無二の立地で、ただ観光を楽しむだけでなく、そこに残る龍馬の姿に思いをはせ、新しい旅や自分を発見するという新しい宿泊の形を提案していきたい」と意気込みを語った。
「hotel nansui(ホテルなんすい)」が開業