埼玉県と埼玉県物産観光協会は13日、東京都千代田区の都道府県会館で観光に関する商談会「埼玉トラベルマート」を開催した。県内の自治体や観光協会、観光事業者など59団体が出展し、旅行会社、旅行関係の出版社など43社に観光施設や観光メニューなどを売り込んだ。県や観光事業者は、東京からアクセスの良い埼玉の特性などをPRし、国内外からの旅行者の誘致を拡大したい考えだ。
商談会で県産業労働部観光課の稲葉尚子課長は、県内の観光情報に加え、東京スカイツリーの5月開業の波汲効果などにも触れ、「東京から少し足を延ばせば、魅力的な観光資源がたくさんあると知ってもらいたい」と述べ、活発な商談に期待した。
埼玉県の観光には話題も多い。今年の秋には、行田が舞台の歴史小説「のぼうの城」を映画化した作品が公開予定。北本市では、見学施設を併設する関東グリコの工場が今春に稼働開始。昨年9月には秩父地域が日本ジオパークに認定されたほか、ライン下りなどで知られる長瀞は昨年5月に発行された「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」改訂版に掲載された。
出展者は、さいたま観光コンベンションビューローや鉄道博物館をはじめ、川越市、秩父市、長瀞町の自治体や観光団体など。各地の観光施設の運営会社、見学や体験をプログラム化している特産品の製造業なども多数参加した。旅行会社側はJTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行をはじめ、楽天トラベルやはとバスなどが参加。インバウンドを担当する部署の参加も目立った。
埼玉県は2010年1月に「観光立県」を宣言するなど観光施策を強化。長瀞や川越といった観光地に加え、B級グルメやアニメなどをテーマとした各地域のPRに一定の成果を上げてきた。県産業労働部観光課は「今後は教育旅行の誘致にも取り組みたい。県内では工場見学や農業体験などを素材とした観光振興への気運が高まっている」としている。
個別に行われた商談