JTBは5月24日、JTBグループ2023年度(23年4月~24年3月)連結決算を発表した。売上高は前年度比10.5%増の1兆809億5千万円と、回復してきた国内旅行と訪日旅行の需要を確実に吸収し、19年度以来、4期ぶりに1兆円を超えた。営業利益は同25.9%減の249億4100万円、経常利益は同27.3%減の288億9900万円、当期純利益は38.9%減の183億1600万円と黒字を確保。山北栄二郎社長は「23年度はコロナ禍における守りから攻めへのフェーズに移行するステップとして、DXや人への投資、成長投資を加速させるための攻めの減益であったと捉えている」と語った。
連結対象会社数は国内22社、海外74社、持分法適用会社18社の計114社(24年3月末現在)。従業員数は1万8993人(同)。
山北社長は「昨年5月に実施された新型コロナウイルス5類感染症への移行を機に国内旅行や訪日旅行は大きな回復となった。円安やインフレ、不安定な国際情勢などの影響によって海外旅行は十分な回復には至っていない。アフターコロナにおける企業イベントや出張の需要拡大を捕捉。また、日本を除く第3国間のグローバル事業も大きく回復し、4期ぶりに売上高1兆円を超えることができた」と説明した。
各旅行セグメントの売上総利益の推移を見ると、国内旅行は昨年のコロナ感染症の5類移行を受け、コロナ前の水準に回復。地域活性化キャンペーン「日本の旬」は、「北海道」と「アドベンチャーツーリズム」をテーマに実施した。
海外旅行は、コロナ前の水準まで回復していないが、徐々に戻りつつある海外旅行需要をさまざまな施策で補足し、前期比では大幅増収。訪日旅行は前期比で大幅増収となった。
事業・領域別の業績を前期と比較すると、ツーリズム事業やエリアソリューション事業、グローバル領域は増収だった。ビジネスソリューション事業はコロナ関連のビジネスが減少したため減収となった。
25年3月期の連結業績予想は、売上高で前期比7.5%増の1兆1620億円、営業利益で53.5%減の116億円。
決算発表を行う山北社長