JTBは、夏休み(調査対象7月15日〜8月31日)の宿泊旅行動向の見通しをまとめた。国内旅行者数は前年比4.0%増の7412万人となり、リーマンショック以前の08年夏の7348万人をも上回ると予測。景況感の改善とともに消費者の旅行意欲も高まってきているという。
昨年は8月下旬に衆議院選挙、9月に5連休があったため旅行時期が分散。今夏は参議院選も7月上旬に終わり、夏休み旅行のメーンである家族旅行が増えそうだ。お盆が8月13〜15日であることから、旅行出発のピークは8月12、13日と見込む。
国内旅行の平均費用は2.9%増の3万5300円と算出した。「企業業績の回復基調から夏のボーナス支給額が微増となり、消費者の旅行支出への意欲が前向き」と同社。
平城遷都1300年祭で8月20〜27日に光の天平行列などを行う「光と灯りのフェア」が開かれる予定で、奈良近隣を中心に多くの観光客が見込まれる。7月19日から始まる瀬戸内海7島でのイベント「瀬戸内国際芸術祭2010」も注目されるという。NHK大河ドラマ「龍馬伝」の影響で高知方面の宿泊予約は引き続き好調だ。「今後、長崎が舞台になることから、九州方面への観光客増の期待もある」(同社)。
一方、海外旅行者数も8.4%増の244万人と、08年の224万人を上回る見込み。ハワイ、グアム・サイパン、韓国、上海万博開催中の中国が人気という。旅行平均費用は3.0%増の21万8700円と予測する。