訪日外国人旅行者が2500万人になると、述べ宿泊者の5人に1人は外国人。観光庁は、訪日外客が2500万人に到達した場合の延べ宿泊者数を宿泊旅行統計を基に試算した。日本人の延べ宿泊者数が変わらないとすると、全体に占める外国人延べ宿泊者数の割合は、08年(外客数835万人)の7%から21%に上昇することが分かった。外国人の宿泊が多い関東では12%から33%に、近畿では10%から29%にアップし、いずれも3人に1人が外国人となる。
試算結果は、12月16日に開かれた観光庁の「訪日外国人旅行者数のさらなる拡大に対応した宿泊施設のあり方に関する検討会」の第4回会合の中で紹介された。観光庁が2019年の目標に設定している2500万人の到達時の宿泊市場の姿を浮かび上がらせた。
試算の基になっている宿泊旅行統計は、従業員10人以上のホテル、旅館、簡易宿所を対象に観光庁が実施している調査。訪日外客の地域別の宿泊分布に変化がなく、日本人の延べ宿泊者数の水準が一定などと仮定して試算。韓国、中国、台湾、香港からの訪日客の宿泊数は、現状より1泊伸びる条件を付け加えた。
08年の外国人延べ宿泊者数は2225万人泊で全体の7%、14人に1人という割合だが、2500万人になると7600万人泊で全体の21%、5人に1人になる。関東や近畿だけでなく、北海道も9%から22%に、九州も6%から15%に上昇する。
客室稼働率も70%を超える
現状の宿泊施設の客室数などを基に、客室稼働率も試算した。08年の全国平均の客室稼働率は63%だが、訪日外客数が2千万人になると71%に上昇し、2500万人になると74%に達する。2500万人時代には、関東では91%、近畿では90%という高い稼働率となり、ピーク期には需要が供給を大幅にオーバーする可能性がある。
試算は、訪日外客の現状の宿泊分布がベースで、旅行動向が変化し、都市部やゴールデンルート以外への滞在が増えれば、地域別の外国人延べ宿泊者数の割合、客室稼働率の伸び率は試算とは大きく変わってくる。