大阪・関西万博初日は14万1000人が来場 入退場混雑、リングに感動


住友館のオープニングセレモニー

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした大阪・関西万博が13日、人工島・夢洲(大阪市此花区)で開幕した。158の国と地域、そして7国際機関が参加し、科学や医療などの最新技術や独自の文化を、10月13日まで184日間発信する。開幕日の会場を歩いてみた。

 午前8時過ぎに最寄り駅の大阪メトロ夢洲駅に到着。初日は事前に予約したおよそ14万人(正式には14万1千人、うち運営スタッフなど関係者2万2千人)が来場すると聞いていただけに行列を覚悟したが、思ったほど混雑しておらず、割とスムーズに入場できた。

 それでも夢洲駅に近い東ゲートは多くの人が並び、午前9時に開場するとなだれ込むように一斉に会場に。スタッフが「走らないで」と呼びかけていた。関東から来たという男性(51)は、「批判もあるが、実際に来るとワクワクする。特に、大屋根リングは想像以上に圧巻」と興奮気味に話していた。

 来場者は時間がたつにつれて増え、人気のパビリオンには午前の早い時間から行列が。

 人工多能性幹細胞(ips細胞)から作ったips心臓(直径約3・5センチ)が話題のパソナグループのパビリオン「PASONA NATUREVERSE」。この日は事前予約なしで入場できるとしていたが、午前11時ごろには「現在の待ち時間70分」という看板が出ていた。

 9時からの「住友館」開館セレモニーを取材。外観は住友グループの発展の礎を築いた愛媛県の別子銅山の山々をイメージしたデザイン。ランタン型の機器を手に、音や光に導かれながら本物の樹木とデジタル技術で再現された動物などが暮らす森林探検などができる。西條浩史館長は「森や自然に思いをはせ、未来を大切にする思いを持ち続けるきっかけを提供したい」と意気込む。

 万博の目玉の一つが次世代の移動手段といわれる空飛ぶクルマ。会場西側の「モビリティエクスペリエンス」にはこの日、2機の機体がお披露目された。3人乗りのエアモビリティ「スカイドライブ」と1人乗りエアモビリティ「ヘクサ」だ。

 スカイドライブは28年以降、大阪市内でエアタクシーとしての商用化を目指す。一方、ヘクサは免許不要で、30分ほどの講習を受けるだけで操縦できるという。米国では25都市のフライトエリアで遊覧飛行が実施されており、数百人が実際に乗っている。

 この日、エキシビション飛行を行う予定だったが、悪天候で中止となり、集まった観客は残念がっていた。

 その後、チリ館に足を運んだ。先住民の女性が伝統的な手法で練り上げた色鮮やかな手編み物「マクン」が見どころ。国民舞踏の「クエカ」ダンスも披露された。関係者は「日本の皆さんにチリの魅力を伝えたい」と述べ、来場を期待した。

 この時点で、海外パビリオンは5館が準備が間に合わず、当面閉館となった。

 会場には多くのグルメ・ショッピング店舗があるが、いずれも混雑し、回転ずし「くら寿司」は正午前にも関わらず、予約できるのが午後8時以降と実に8時間待ち。持ち込んだおにぎりなどをほおばる人が目立った。

 午後から雨脚も強くなり、午後1時過ぎに帰ろうとしたが、夢洲駅は大混雑。会場から駅の入り口まで長蛇の列で、見通しの甘さを実感。1時間ほど並び、ようやく電車に乗れた。

 並ばない万博を目指しているが、行列解消は容易ではないという印象を受けた。雨風を避けてリング下は人が集まったが、ベンチは不足気味。今後改善が求められそうだ。

 開幕前の前売り券の販売は約970万枚で、修学旅行などの予約分200万枚以上と合わせると、1170万枚を超えているという。


住友館のオープニングセレモニー


右の機体がスカイドライブ、左はヘクサ

 
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