大韓航空は9月28日、全ての自社ITシステムをアマゾンウェブサービス(AWS)に移行完了したことを発表した。2018年11月に業務委託を行い、3年をかけて完了。アフターコロナを見据えたDX推進で、経営、顧客サービスの向上を図る。
AWSへの移行は、今後の市場動向と需要の変化に柔軟に対応するため、特に業務の効率化と顧客サービスの向上を目的に実施。AWSおよび関連会社であるLGCNS(韓国)と協力し、社内データセンターで運営していたデータ、ネットワーク、セキュリティシステムをAWSクラウドに移行した。
移行では、クラウドマシンラーニング管理サービスを導入。マシンラーニングモデルの構築、学習、適応を一つの環境で管理するサービスで、正確な需要と統計予測を把握することで、良質な顧客サービスを提供できるようにした。悪天候によるフライト遅延の予測時刻、航空機整備の必要時間の予測など、適切なタイミングで必要な措置をとることも可能にしている。
また、顧客データプラットフォームをクラウドに構築。利用者の嗜好やサービス情報などを分析し、ニーズに合ったカスタマイズサービスを推薦するなど、機能開発を進めている。
このほか、直接利用するサービスの改善を進め、ウェブサイトやモバイルアプリの従来比90%以上のスピードアップの実現を目指す。従来はチケットを購入する際は、4段階のプロセスが必要だったが、2段階に簡略化し、将来的にはワンステップでの購入を目指して開発を進めている。
人材育成やクラウド化の構築に向けた取り組みも進め、職員のクラウドを活用したアイデアスキルの育成などを図ってる。