山形県天童市で4月23、24の両日、「天童桜まつり」が舞鶴山山頂で開かれた。甲冑姿の武者に扮した地元の高校生が駒となり、対局に合わせて盤上を行きかった。桜吹雪が舞う中、時代絵巻さながらの光景が観光客を魅了した。
「人間将棋」は地元の伝統産業である将棋の駒の製造を観光振興に生かそうと1956年に始まり、今年で61回目を迎えた。
恒例の特別公開対局を前に、コンピューター対局ソフト「PONANZA」を開発した山本一成さんと、天童の将棋親善大使で元プロサッカー選手の波戸康広さんが対局。激戦の末、時間切れで引き分けとなった。
23日の特別公開対局は、竹部さゆり女流3段と飯野愛女流1級が対局した。24日は郷田真隆王将と阿久津主税8段が登場し、屋外に常設されている縦16.6メートル、横13.8メートルの将棋盤で熱戦を繰り広げた。
天童の将棋駒製造は、江戸時代の末期、天童織田藩(2万石)の財政救済策として始まり、現在では全国の約95%の将棋駒を生産する。