将棋駒の生産量日本一を誇る山形県天童市で16、17日の両日、第67回天童桜まつり「人間将棋」が開かれた。将棋界の若きスター藤井聡太5冠が登場したこともあり、観覧席、パブリックビューイング席合わせて千人以上と多くの観客が詰めかけた。
会場は桜が満開となった天童温泉を一望する舞鶴山山頂。700人を超す応募の中から抽選で選ばれた40人の駒武者が、将棋の対局に合わせて盤上を行き交かった。
人間将棋は地元の伝統産業である将棋駒(国内の90%を生産)を観光振興に生かそうと1956年に始まり、今年で67回目。同市の春の風物詩として定着している。
将棋盤は縦16.6メートル、横13.8メートル。初日は竹部さゆり女流4段と上田初美女流4段が対局。2日目に藤井5冠と佐々木大地6段が対局し、130手目で藤井5冠に軍配が上がった。互いに戦国武将になりきった口調で掛け合い、一進一退の戦局をプロの棋士らが解説、会場を沸かせた。
トークショーでは木村一基9段と竹部女流4段が藤井、佐々木両棋士をリードし、「プロを目指した動機」などを質問。会場を楽しませた。
将棋界の若きスターの登場ということもあり、660の観客席を求めて1万1714人の応募があった。大型モニターを設置した500席のパブリックビューイングも設けられた。
会場では今年の「将棋の女王」に選ばれた渡部星花さん(天童市)、高橋葵さん(山形市)も紹介された。
人間将棋に藤井5冠が登場
千人以上の観客が詰めかけた人間将棋。天童市の春の風物詩だ