天童市(山形県)の春の風物詩「第68回天童桜まつり『人間将棋』」が15、16日、桜が舞う中、市内を一望する同市の舞鶴山山頂で開かれた=写真。甲冑(かっちゅう)をまとった地元の高校生と、一般公募から選ばれた駒武者らがプロの対局に合わせて特設会場の盤上(縦16.6メートル、横13.8メートル)を“王将太鼓”が鳴り響く中、行き交った。時代絵巻さながらの光景が観戦者を魅了した。
15日の対局は、加藤桃子女流3段に野原未蘭女流初段が挑戦。16日のメイン対局は人間将棋始まって以来となるA級棋士同士による対局で、稲葉陽8段と中村太地8段が対局。両日とも駒を一手指すごとに解説も行われ、大きな拍手が鳴り響いた。
人間将棋は、地元の伝統産業である将棋の駒の製造を、財政の立て直しや観光振興に生かそうと1956年に開始。春の訪れを知らせる同県内最大のイベントの一つとなっている。同市の駒生産は全国の約95%のシェアを誇る。