鳴子温泉などがある宮城県大崎市は15日、鳴子、東鳴子、中山平、川渡、鬼首の5つの温泉旅館組合、10カ所の公衆浴場と災害時における施設使用協定を結んだ。同市は地震などの災害が起きたときに被災者に旅館と公衆浴場の風呂を無料開放し、避難所生活が困難な高齢者や障害者に旅館を避難所として提供する。
同協定は宮城県沖を震源地とする、大規模な地震発生が30年以内には99%という高い確率で発生する調査結果が昨年発表されたのを受けた措置。
旅館施設の使用の際は1泊3食を基本とし、加盟する宿泊施設が提供する。費用については同市と温泉旅館組合が協議した上で決定。
5つの温泉旅館組合にはホテル扇屋(大崎正和鳴子温泉旅館組合代表)、旅館田中温泉(高橋浩哉東鳴子温泉旅館組合代表)など現在62軒が加盟。
公衆浴場を臨時的な入浴施設として使用する期間は原則として3週間とする。入浴費用は被災から1週間は施設側が全額負担し、8日目以降は市と施設が折半する。
同市の防災安全課危機管理係は「観光客の皆さんに安心して滞在できるように努めていきたい」と話している。