100区域想定、率は2分の1
政府は、観光地や温泉地の旅館・ホテル、飲食店、土産物店などの施設改修の費用を補助する新たな制度を創設する。新型コロナウイルスの流行で需要が落ち込む中、観光施設の再生を短期、集中的に支援し、地域全体の魅力アップ、収益力向上につなげる。政府の観光戦略実行推進会議が3日に決定した「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」に盛り込んだ。編成中の今年度第3次補正予算案に予算を計上する。
自治体やDMO(観光地域づくり法人)などに滞在環境の向上を目的とした観光拠点再生計画の策定を求め、計画に基づく区域の旅館・ホテル、飲食店、土産物店などの施設改修に補助金を交付する。区域は全国で100カ所程度を想定。予算額は未定だが、補助率は最大2分の1。短期集中型の支援措置として早期の事業開始を目指す。
施設改修などの補助に加え、旅館・ホテルなどが経営革新や新たなビジネスの展開について助言を受けられるようコンサルタントなどの専門家の支援が受けられる事業を展開する。融資面でも、観光事業者の施設改修や生産性向上などを支援する政府系金融機関の融資制度を大幅に拡充する。
複数の宿泊事業者などの連携を促進する事業も推進する。旅館・ホテルの事業承継や統合、複数の宿泊事業者が飲食施設を共有するといった協業、宿泊事業者が他分野の事業者と新ビジネスを生み出すための取り組みなどを支援する。
この他に、地域全体の魅力を高めるため、観光地や温泉地に残る廃屋の撤去を支援し、景観の改善を進める。国立公園内の施設や文化施設にカフェを併設するなど、公共施設が民間の活力を導入する場合の施設改修も支援する。