宿泊4団体、観議連に要望


宿泊業界の要望を述べる多田全旅連会長

GoToの早期再開 県民割支援 金融支援 五輪の国内客受け入れ

 宿泊4団体は3月24日、自民党観光産業振興議員連盟(観議連、細田博之会長)の総会で「新型コロナウイルス感染症に係る重点要望」を行った。要望はGo Toトラベル事業の早期再開や、地方自治体による観光需要喚起策への支援など、4項目からなる。

 昨年12月28日から一時停止しているGo Toトラベル事業は、緊急事態宣言が全面解除されても再開のめどが立っていない。要望書では、「感染状況が一定程度収まった地域よりGo Toトラベル事業の早期再開をされたい」とした。

 各県が行う県民割などの観光需要喚起策は、「国で財政支援をされたい」。

 緊急事態宣言発出により、宿泊事業者の資金繰りがさらに厳しくなったとして、「新型コロナウイルス関連緊急経済対策の特別融資および実質無利子制度のさらなる拡大、制度期間の延長、申請要件の緩和」、また既往貸し付けの返済期間の延長など、さらなる金融支援策を講じてほしいとした。

 東京五輪・パラリンピックは、「中止・延期をすることなく、厳格な感染対策を実施し国内の観客を受け入れて開催されたい」としている。

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟、日本ホテル協会の4会長連名で要望書を提出した。

 全旅連の多田計介会長は、「Go Toトラベルは、期間を大幅に延長しなければ地域経済が浮上しない」と、事業の早期再開とともに長期にわたる実施を要望。全旅連ウィズコロナ調査研究会が全国の組合員施設に行ったアンケート調査の結果をもとに、宿泊事業者の資金繰りの厳しさを改めて示した。

 全日本シティホテル連盟の清水嗣能会長は「われわれ業界は我慢してここまできたが、もう限界」と苦境を述べるとともに、Go Toトラベル事業でビジネス出張が支援の対象外とされてから宿泊客がさらに減ったとして、事業再開に当たっては制度を見直すよう求めた。

宿での抗原検査に前向き 全旅連役員ら

 観議連は新型コロナウイルスの感染防止策として、民間主導による抗原検査の実施拡大を関係大臣らに提言している。検査の実施主体は宿泊、運輸、飲食施設、催事主催者を想定。全旅連の役員らは観議連の総会後、役員同士で意見交換し、旅館・ホテルでの抗原検査実施に前向きな姿勢を示した。

 観議連の細田会長は「ウイルス保有者が感染を拡大させているが、保有者を特定できないために全ての人々の行動を自粛させることになり、いつまでも観光、飲食、催事の縮小を強制する結果となる」と指摘。宿泊客や接客要員への検査の実施促進へ、国費投入による検査キットの生産拡大を求めている。抗原検査で陰性の結果が出た人には宿泊割引などの特典を与える制度も考えられるとしている。

 

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