外国人観光客の誘客に向けて全国の自治体の動きが活発だ。富山県では外国人観光客に対し受け入れ態勢整備の事業強化に乗り出した。旅館ホテルの施設整備のための助成制度を設けた。北海道では国際観光振興を図る計画「北海道外客来訪促進計画」を改定させ、外国人の来道者数を12年度までに110万人を目指す。
富山県は、海外からの観光客増をにらみ国際観光施設など魅力アップに向けた助成金制度を設定。助成を希望する県内の宿泊施設やレジャー施設を7月11日まで募っている。外国語版パンフレット作成などの受け入れ態勢整備、段差の解消などユニバーサルデザイン(UD)対応のための施設整備を行う。
県は外国語版ホームページなどの作成、チューナーの設置で、外国語版番組放映の導入、従業員に対して行う語学研修の受け入れ整備事業を実施。UD対応のための施設整備事業も行う。
助成金額は受け入れ態勢整備費の上限が25万円。施設整備費で50万円。総費用の半額まで県が負担する。受け入れ態勢整備事業とUD対応の施設整備事業の助成を受ける企業に対しては計50万円が上限。
県は「宿泊施設周辺の観光を紹介する案内板作りなど、外国人観光客の誘客として効果的となるように事業を展開していきたい」と話す。
北海道はこのほど外国人来道者数を現状の59万人から12年度までに110万人にする国際観光振興計画「北海道外客来訪促進計画」を策定した。計画によると、訪日教育旅行の受け入れの促進、地域限定通訳案内士制度の創設などを盛り込んだ。
同計画は、05年度の第1次計画を改定した上で、北海道の観光計画「新しい北海道観光のくにづくり行動計画」の趣旨をふまえ策定。
国際観光の振興方策では(1)観光客が安心して快適に観光できる環境づくりの促進(2)海外からの観光客の誘致の促進(3)観光に関する基礎的データの収集や調査を実施する。
(1)の主な施策は観光ホスピタリティの向上に向けて、地域限定通訳案内士試験の実施、国際観光通訳ボランティアの育成など行う。また情報案内機能の充実として、宿泊施設への外国語放送の導入促進を図っていく。