公益社団法人日本専門新聞協会は1月29日、同協会加盟新聞社と読者を対象とした新春講演会を東京都千代田区の経団連会館で開いた。作家の北康利氏(=写真)が「先人に学ぶ 変化の時代に生き残る経営」と題して講演した。
「今回のフジテレビ問題に象徴されるようにSNSは非常に怖い存在だ。皆さん(専門新聞各社)がSNSと圧倒的違うのはゲートキーパーとしての能力と誇りだと思う。皆さんが選び、直接取材し、執筆した記事を読んでさえいれば、読者はそれぞれの業界の中で後れを取ることはないはず。氾濫する情報の中から真実を選び出し、読者に伝える目利き、このゲートキーパ―としての役割が皆さんのレゾンデートル(存在意義)だ」。北氏はこのように話し、専門紙業界にエールを送った。
北氏は、白洲次郎、福沢諭吉、松下幸之助、吉田茂、安田善次郎、岸信介、西郷隆盛、渋沢栄一、佐治敬三などの評伝をライフワークとし、現代社会やビジネスシーンで生き残る術を伝えている。
同氏はさらに、執筆活動を通じて得た確信を次の様に述べた。
「優れた政治家と優れた経営者は、絶対に優れた政治学者と優れた経営学者ではない。それぞれの業界の専門を学問として究めた人が、そこで大成したのではない。共通しているのは優れた人間学者であるということ。あらゆる業態で、あらゆるところで人間について極めることが、成功への鍵の共通項であると思う」。
作家の北康利氏が講演した