国民生活金融公庫はこのほど、全国小企業月次動向調査の3月分の結果を公表した。それによると、2月の小企業の売上DI(「増加」とする企業割合から「減少」とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス10.5で、前月比1.5ポイント低下した。DI値の低下は2カ月連続。一方、同月の採算DIは前月比0.4ポイント上昇した。
調査は3月上旬、同公庫の取引先1500社を対象に実施した。有効回答数は1269社で、回答率84.6%。
2月の売上DIを業種別にみると、製造業、卸売業、飲食店、サービス業、建設業の5業種で前月比低下。小売業、運輸業の2業種で前月比上昇した。
伸び率が最も高かったのは運輸業の5.9ポイント上昇。小売業の0.5ポイント上昇が続く。半面、マイナス幅が最も大きかったのは製造業の7.7ポイント低下。DI値が前月までのプラスから一転して、マイナスに転落した。
売上DIはすべての業種でマイナスを記録した。最も高いのは製造業のマイナス1.8で、運輸業のマイナス4.6、サービス業のマイナス7.6がこれに続く。
3月の見通しは、全体で3.7ポイント上昇のマイナス6.8。業種別では、卸売業、小売業、飲食店、サービス業、建設業の5業種で上昇。製造業、運輸業の2業種で低下する見通し。
2月の採算DI(「黒字」とする企業割合から「赤字」とする企業割合を引いた値)は全業種で4.5。前月比0.4ポイント上昇した。DI値が上昇するのは2カ月ぶり。3月の見通しは前月比1.9ポイント上昇の6.4。
なお、ここでいう小企業は、卸売業、小売業、飲食店で従業者10人未満、その他の業種で従業者30人未満の企業を指す。