小田急電鉄と旅行・レジャー予約サイトを運営するKlook Travel TechnologyLimitedはこのほど、Klookのオンラインサイトで購入した交通・体験などのチケットを、小田急が運営するオンラインチケットサービス「Emotオンラインチケット」で発行できるサービスを開始した。インバウンド旅行者が対象で、Klookで購入した各種チケットを来日後に紙のチケットに引き換えていた手間やコストの削減に貢献する。
Emotオンラインチケットは、英語や中国語、韓国語など5カ国の言語に対応したオンラインチケットサービス。チケットの購入・予約・利用に至るまでスマートフォンのみで完結する。チケットを利用する際は、スマホ画面に表示される2次元コードを読み取り端末にかざすか、係員にアニメーション画像を提示することで利用できる。箱根や江の島・鎌倉などの沿線観光地に加え、埼玉県・秩父エリア、静岡県・浜松エリアなど9エリアで58種類のデジタルチケットを販売している。
今回の両社の連携により、インバウンド旅行者を受け入れる各種施設などの事業者も、EMotオンラインチケットへのチケット登録のみで、Klookとの契約業務・チケット管理・精算業務が一括して行われるようになった。従来発生していた紙のチケットへの引き換えの手間やコストが省け、今後も増加が見込まれるインバウンド旅行者への対応を効率的に行えるようになる。
サービスは、インバウンド旅行者に特に人気のある箱根周遊券「デジタル箱根フリーパス」を対象に開始。小田急電鉄によると、今後は西武鉄道沿線のチケット類の取り扱いも順次開始する方針で、2030年度時点で50の事業者にサービス範囲を拡大する予定。
小田急電鉄は「インバウンド旅行者がストレスなく旅行できるプラットフォームの構築を目指すとともに、事業者側の業務効率向上のサポートを続けていく」と話している。