長門湯本温泉(山口県長門市)の温泉施設「恩湯」が、放送作家の小山薫堂氏が代表理事を務める「湯道文化振興会」主催の第2回「湯道文化賞」を受賞。その記念イベントが18日、東京都内で開かれた=写真。主催は長門湯本温泉のまちづくり会社「長門湯本温泉まち株式会社」など。
「長門湯本温泉×湯道トークイベント『湯は、心に恩を刻む』」と題して、同温泉と「湯道」に関わる6氏が登壇。同温泉のまちづくり、今後の取り組みを語った。
恩湯は応永34(1427)年、曹洞宗大寧寺3代住職の定庵禅師が長門国一宮の住吉大明神からのお告げにより発見されたというルーツを持つ。立ち寄り湯として長く営業をしていたが、施設の老朽化などで2017年5月にいったん閉館。2020年3月に新たなまちづくりの一環で地元の若手経営者らの手により再建された。
「入浴文化を『道』に昇華させよう」との思いで小山氏により設立された湯道文化振興会は、入浴に関する文化的な取り組みを行う個人・団体を表彰する「湯道文化賞」を創設。昨年、第2回の同賞に恩湯が選ばれた。
イベントには小山氏と同温泉「大谷山荘」社長の大谷和弘氏、作家で宿のグループ「日本 味の宿」の顧問を務める柏井壽氏、萩焼作家の16代坂倉新兵衛氏、長門湯本温泉まちエリアマネージャーの木村隼斗氏、雑誌「Discover Japan」統括編集長の高橋俊宏氏が登壇。
「温泉を授けた神様に対する感謝の気持ちが地域の中で育まれている。湯道の精神と合致するところが(湯道文化賞)受賞の理由となった」と小山氏。
大谷氏は地元産の萩焼の湯道具を使い、同温泉ゆかりの大寧寺に湯を献上する「新春献湯式」を来年1月4日に行う計画を発表。地元の温泉文化の発展にさらに取り組む考えを述べた。