日本と台湾の交流拡大を目指し、双方の観光に関わる機関・団体、旅行会社の関係者ら約210人が出席し、山形市のホテルメトロポリタン山形で5月28日、「日台観光サミットin山形」が開かれた。31日まで、米沢の酒蔵や蔵王温泉、東根のさくらんぼ狩り、銀山温泉、最上川舟下り、羽黒山など県内各地を見学、視察した。
サミットは2008年から日本と台湾で交互に開催し、今回で8回目、東北では初めての開催となる。「観光交流人口500万人時代に向けて」をテーマに、日台双方の現状などについて意見交換した。
山口範雄・日台観光推進協議会会長(日本観光振興協会会長)はあいさつで、「全国の都道府県に先駆け日華親善協会を設立し、台湾との結び付きが深いのが山形県」と述べる一方、「昨年、相互の観光客数が過去最高となる446万人を記録。2年前倒しで(400万人の目標を)達成した。500万人に向け相互の親善を強化することが大切だ」と強調した。
韡瑟珍・台日観光推進協議会会長(台湾観光協会会長)は、「山形と台湾は歴史的に関係が古く、台湾で誰もが知っている『おしん』の舞台になったところでお会いでき光栄だ。復興半ばの東北の観光振興の一助になれるよう、両国は観光プロモーションの強化に努め、さらには双方向の観光交流を行い、新たな時代の幕開けを期待」すると述べた。
吉村美栄子山形県知事は「身近で親しみがある存在。山形の魅力を感じてもらいたい」と歓迎のあいさつを述べた。
高橋宏明・東北観光推進機構会長が「東北の現状と広域観光モデルルート」と題して報告。「東北の『夏祭り』への誘客と、放射線量や食について安全、安心性」を訴えた。
会議では「日本では東京や京都、台湾では台北などの大都市に一極集中が顕著化しているが、打開策として教育旅行への取り組みや、地方分散・季節分散の対応が大切だ」との意見があった。また台湾側から、双方にある同じ駅名を素材としたキャンペーンへの展開について提案があった。
山口会長は「双方は、一層の相互理解と交流拡大に向けた人材育成を進めるため、若い世代の交流や観光業界・行政などの人材交流を積極的に推進する」とする議長総括を発表した。
次期開催地は台湾東北部、宜蘭県に決まった。
観光関係者が一堂に集まった