「山形日和。」をキャッチコピーに、JRグループと地元自冶体、民間事業者らが連携した「山形デスティネーションキャンペーン(DC)」が14日、開幕した。期間は9月13日まで。オープニングイベントが山形駅を主会場に、県内のJR各駅で行われた。山形県の温泉、食、自然、歴史、文化などさまざまな魅力をPRし、県を挙げて官民一体の誘客拡大を目指す。
JR山形駅の自由通路でのオープニングセレモニーには、山形DC推進協議会会長の吉村美栄子知事、JR東日本の石司次男副社長をはじめ、国土交通省東北運輸局の長谷川伸一局長、日本観光振興協会の見並陽一理事長ら多くの来賓、関係者らが出席した。キャンペーンキャラクターの「きてけろくん」も観光客を出迎えた。
吉村知事は「山形県には、日本人の心の中に昔からある美しい風景、文化が根付いている。県民が地域の良さを再認識し、一人一人が県外に魅力を発信することが重要だ。県民総参加、全産業が参加し、DCを成功させ、観光立県につなげたい」とあいさつした。
JR東日本の石司副社長は「10年ぶり6回目となる山形DCがスタートした。山形には他にない人情という素晴らしいコンセプトがある。一過性のイベントに終わらせるのではなく、県の観光力を上げるのがDCの目的。ともに頑張ろう」と呼びかけた。
DCの開催に合わせ、山形新幹線の新車両のデザインを担当した世界的デザイナーの奥山清行氏は「新車両の色は山形県にとって歴史的にも思い入れの強い県花『紅花』などを参考にした。車両を見る時には、隠れたメッセージや職人の技、山形の暮らしぶりを感じてもらいたい」と語った。7月中旬には、足湯が楽しめる新幹線車両を改造したリゾート列車「とれいゆ」も運行される。
県内では、羽黒山五重塔の夜間ライトアップなどの県内にある六つの国宝の一斉公開のほか、「朝摘みのさくらんぼ狩り」などの体験プログラム、各温泉地で考案したおかずを提供する「朝ごはんプロジェクト」など、DC期間中ならではの企画も展開されている。
サクランボのかぶりものをかぶった地元の子どもたちから迎えられる観光客(山形駅で)