岩手県の三陸地域の市町村や観光協会は2月21日、東京都港区のホテル日航東京で「いわて三陸観光PRレセプション」を開いた。旅行業者やマスコミ関係者ら約80人が参加。観光関係者が三陸の魅力をPR、今年7月に予定される平泉の世界遺産登録を見据えた観光キャンペーンや観光ルートバスを紹介、誘客への協力を求めた。
あいさつした宮古観光協会の澤田克司会長(宮古ホテル沢田屋社長)は、「平泉の国内15番目の世界遺産登録を控え、岩手県の観光に対する注目度は高まっている。しかし、平泉に来た観光客の多くが、花巻などの内陸に滞在するほか、北海道や青森、宮城などの隣県に流れていく傾向がある。三陸には体験型観光メニューなど、知られていない魅力がたくさんある。二次交通の充実などを今後進めるので、ぜひ積極的な商品造成を」と訴えた。
また岩手県商工労働観光部観光課の石川義晃・特命課長が、岩手県の観光客入り込みの概要と観光政策、若手書家の武田双雲氏の揮毫による「平泉の文化遺産」の新ロゴなどについて説明を行ったほか、釜石、宮古、大船渡の各地域がプレゼンテーションを行った。県指定の無形民俗文化財、菅窪鹿踊(すげのくぼししおどり)も披露された。
同県では世界遺産遺産登録に併せ、7〜9月にJR東日本などと連携し、「いわて・平泉観光キャンペーン」を実施する。共通の「おもてなしシール」を作成し、割引特典やトイレ貸し出しなどのサービスを行う施設に掲出するほか、スタンプラリーを実施、抽選で合計1千人に特産品を贈るプレゼントキャンペーンも企画する。
同県の07年7〜9月期の観光客入り込み数は延べ1353万人で、前年同期比3.8%増。沿岸地域は332万人で、同5.5%増となっている。
県の無形民俗文化財「菅窪鹿踊」