岩手県観光協会、おもてなしに認定制度


 岩手県観光協会(佐藤義正理事長)は、平泉の世界遺産登録などを見据え、観光客の受け入れ態勢を整備しようと、「いわて観光おもてなしマイスター」認定制度を今年からスタートした。観光業の従事者などを対象に、接客に優れ、地域の観光資源に精通した人材を育成、マイスターとして認定する。今年度の募集は30人程度を予定していたが、資格取得に向けた研修会には宿泊施設の従業員を中心に54人が参加。審査を経て、今年12月には第1期生が誕生する。

 おもてなしマイスターの対象となるのは、宿泊・観光施設や土産店の従業員、観光ボランティアガイド、各市町村の観光協会職員などで、5年以上の勤務経験が要件。2回にわたる認定研修会の修了者が、有識者でつくる委員会の認定審査を受ける。

 第1回の研修会は9月12、13の両日、盛岡市内で開かれ、接遇や地域観光について学習。参加者数は54人で、「宿泊施設の従事者が7〜8割を占める」(同協会)。24歳から70歳までと幅広い年齢層にわたった。第2回研修会は11月に開催し、平泉でのガイド実習を含めて筆記試験や発表が予定されている。

 おもてなしマイスターには認定証やバッジを授与するほか、従事する施設には、マイスターがいる施設であることをPRできる盾などを交付。地域や企業での人材育成の研修会などにもマイスターを講師として活用する考え。09年度までの3カ年で100人のマイスターを育成する計画だ。

 観光業の高度化、ホスピタリティの向上には、技能検定や接遇研修などを通じた人材育成が有効とされており、県を挙げた新たな取り組みとして注目される。

 県観光協会の佐藤理事長は「おもてなしマイスターの活躍を通じて、県民に広くおもてなしの心を醸成するとともに、観光の重要性を浸透させたい。人的なホスピタリティの向上が岩手の観光振興につながる」と意欲をみせる。

 岩手県では、来年の平泉の世界遺産登録などを見込んで、今年度から地域限定通訳案内士(通訳ガイド)の制度を導入、国の認可を受けて試験を実施している。「通訳ガイドとともに、マイスターを育成することで、地域全体の受け入れ態勢が強化される」と同協会は期待している。

 
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