島根県と隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会は10月22日、知られざる隠岐の魅力を紹介するイベント「隠岐ユネスコ世界ジオパークアンバサダー育成講座」を東京都港区のアマナ海岸ANNEXスタジオで開催した。隠岐を熟知した講師による独自の生態系などを持つジオパークの解説や、地元の食材を使った試食会を行った。
講座では、隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会の野邉一寛事務局長がジオパークの特徴や隠岐諸島の「大地の成り立ち」、北方系や南方系の植物が共存する「生態系」、古代から続く「人の営み」などを紹介。野邉事務局長は「暖かい時代、寒い時代の生き物、植物が共存するなど、不思議な生態系がある。島の中には数多くの絶滅危惧種が日常生活に溶け込んでいる。これがジオパークの面白さでもあり、可能性でもある」と語った。
また、隠岐でしか見られないチョウや、本来はヒマラヤにしかいないチョウが隠岐にいることなどを例に挙げ、「隠岐の人に隠岐の貴重性を知ってもらい地域で守っていく」と述べた。
このほか、天皇の即位式では隠岐のアワビが使われていたこと、4万年前から隠岐には人類がいたこと、大社が出雲の二つに比べて隠岐には四つあること、大陸への玄関口であったことなどが紹介された。
試食会では、精米歩合を変えた酒「隠岐誉」の試飲や、隠岐産のアワビの試食などが行われた。参加者からは「今までは、ローソク島や国賀海岸など一部の観光スポットのイメージしかなかったが、次回は自然、歴史を通じた新たな隠岐を発見しに行きたい」と声が挙がった。
ジオパークの特徴を説明する野邉事務局長