島根県出雲市で「ぜんざい」を新たな食文化に育て、誘客の目玉の1つにしようという動きが出ている。2月には「日本ぜんざい学会」が立ち上がり、10月31日を日本記念日協会の「出雲ぜんざいの日」にも登録した。「ぜんざい発祥の地出雲」(出雲観光協会)を全国にアピール、出雲観光にプラスアルファをつける。
ぜんざい学会の広報担当を務める観光協会の早川正樹誘致開発マネージャーによると、ぜんざいは出雲地方の「神在餅」に起因している。「出雲では旧暦10月に全国から神々が集まり、出雲大社では神事・神在祭が執り行われる。その際に振る舞われたのが神在餅。このじんざいがなまってぜんざいになり、京都に伝わった」という。
ぜんざい学会会長には出雲ステーションホテルの田辺達也社長(観光協会理事)が就任。「和の食文化、ぜんざいの歴史と味覚を世界に発信し、あわせて出雲の魅力を広く伝える」のを目的としている。
6月中旬には記念日登録と学会設立総会を兼ねたパーティーも予定。今後「ぜんざいグッズ」といったぜんざいにちなんだ商品開発を行う一方、観光施設や食事処、商店街などでぜんざいを提供するよう協力を呼びかけていく考えだ。