JTBは5日、年末年始(12月23日〜来年1月3日、出発日基準)の宿泊旅行の動向を発表した。国内旅行人数は前年比1.3%増となる2937万1千人と予測。1月4日を休めば9連休が可能な日並びから、近場の旅行だけではなく、沖縄や九州、北海道など長距離方面への旅行者が増加する見込みだ。
旅行日数は1泊2日が32.7%、2泊3日が27.3%と主流だが、「昨年よりも3泊以上の宿泊をする人が増えそう」とJTB。平均旅行日数は昨年より0.2日程度の増加となる模様だ。
出発日のピークは12月29日と31日。昨年は12月30、31日に集中したが、今年は12月29日から1月2日までの5日間にピークが分散している。旅行代金が比較的安い1月3日以降に出発する人も多い。帰着日のピークは1月2、3日と5、6日で山が2つ。
方面別では、今年開業の東京スカイツリーや、改装を終えた東京駅周辺を中心に都心のホテルがクリスマスから年末年始にかけて人気を集めている。来年に式年遷宮を迎える伊勢神宮では、正月の参拝客が増える見通しで、12月31日から年明けまで三重県.鳥羽、賢島、長島地区の温泉施設などの予約が前年を大きく上回っている。
東北地方では、来年の大河ドラマの舞台である福島県会津の奥座敷.東山温泉や、土湯、磐梯熱海の予約が堅調。現地を旅行することで震災復興を応援しようという動きが続いている。
旅行目的では「家族や友人と一緒に過ごす」や「実家で過ごすため」の回答が多く、昨年から引き続き「絆」を大切にする傾向が見られる。
旅行平均費用は3万800円で、前年よりも0.4%増える見込み。
一方、海外旅行人数は1.3%増の3002万8千人となり、6年ぶりの3千万人台に達する。過去最高を記録した1996〜1997年の68万4千人に次いで2番目となる。
方面別では、長期の休みを利用したヨーロッパ、アメリカ方面の人気が高く、またハワイや東南アジアなども人気。長距離方面の旅行者比率が高まるため、旅行平均費用は2.6%増の20万7千円になる見込み。