JTBは2日、年末年始(12月23日〜来年1月3日、出発日基準)の宿泊を伴う旅行の動向見通しを発表した。国内旅行の人数は前年対比1.4%増の2948万8千人となる見込み。暦上の連続休暇は短く、長期の旅行には向かない日並びだが、クリスマス時期の12月23〜25日、年始の1月7〜9日、2つの3連休に旅行する人が増えるという。
クリスマス時期の3連休には夜景やイルミネーションが楽しめる都市やテーマパークが人気。温泉地や北海道、沖縄などのリゾートの予約も好調だ。
特徴的な方面としては、東北新幹線の新青森延伸で青森方面の旅行者が増加。世界遺産に登録された平泉が注目され、花巻、志戸平温泉の人気が高い。新幹線の全線開業効果により九州方面の宿泊施設の予約状況も良く、特に鹿児島県の指宿温泉が人気。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン10周年効果で大阪方面への旅行者も増えそう。
旅行の出発日は、12月31日発(22.8%)が最も多く、次が12月30日発(18.5%)。高速道路のETC休日割引が12月31日〜1月3日の4日間に適用されるため、帰着日は1月2、3日に集中する見込み。
旅行日数は1泊2日(34.9%)が最も多く、昨年より1.4%増加。2泊3日(29.1%)、3泊4日(15.9%)は減少しているが、4泊5日(8.5%)や8泊以上(3.7%)が増加しているため、平均旅行日数は昨年を0.1日上回る3.6日と予想する。
利用する主な交通機関(複数回答)は航空機が4.8%増の10.1%、新幹線が1.4%増の18.2%、長距離バスが1.3%増の6.6%など長距離の交通機関の利用が増えている。
旅行の同行者は家族旅行が72.3%を占めて最多。「家族や親族で一緒に正月を過ごそうという人が増えそうだ」(JTB)。ペットも家族の一員として旅行に連れて行くケースも増えている。
旅行平均費用は1.7%増の3万1700円。
海外旅行の旅行人数は、前年比4.7%増の59万6千人になる見込み。アジアやグアム・サイパンへの旅行者は昨年を上回るとしている。今年の特徴として、CM撮影地などで話題となったシンガポールや、香港、台湾などのアジア方面、航空機の定期便が増えたハワイの人気が高まっている。
出発日のピークは12月29、30日で、年末の29日から年始の1月3日まで出国ラッシュが続く。一方、帰国日のピークは1月2、3日で、8、9日も多い。ヨーロッパへ旅行する人は、12月23、24日に出発し、年内に帰国する傾向だ。
海外旅行の平均費用は0.8%増の20万4700円と予測している。