広島市はこのほど、被爆70年を踏まえた事業として、観光客にターゲットを絞った初の着地型商品を発表した。被爆した路面電車で市内を巡るツアー、ガイドと広島の古今の地図を見ながらまち歩きをする2商品を開発。このほか官民各種の事業をまとめたリーフレットを5月に配布する。
広島市が開発した「被爆電車で巡る体験型コース」は、原爆投下3日後から運行を開始した広島電鉄の路面電車の中でも、今でも現役で動いている被爆電車に乗って、現存する被爆建造物をガイドの紹介とともにめぐるもの。また広島電鉄の本社で、400年前から広島に残る武家茶道「上田宗箇流」を社内に再現された上田宗箇上屋敷の茶室で体験する。
催行日は7月4日、18日、8月8日、22日、9月5日、19日。広島駅集合で広島電鉄本社前解散。料金は2500円の予定。
「広島の今昔を巡るまち歩き」は、市内のボランティアガイド団体が実施しているまち歩き情報を広島市がまとめて発信している「広島とりっ歩(ぷ)」の特別編として市が初企画した。
原爆投下前の地図と現在のまち並みが見比べられる特製の地図を片手に、ガイドとともに被爆から復興した広島を体験する。
催行日は7〜9月の毎週末を予定している。
市ではこれらの事業のほか、平和コンサート、特別企画の美術展、民間テレビ局の企画など、官民各種の被爆70年をテーマにした事業を「70年目の広島の旅」としてリーフレットにまとめ、5月に旅行会社やマスコミ関係者に配布する。
「広島とりっ歩」の様子