広島県は、5月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、県内の食を発信するプロジェクトを展開する。その第1弾として、庄原市特産のブランド和牛「比婆牛」の魅力を伝えるイベントを3月29日、東京都内で開いた。広島市出身で、元サッカー日本代表の槙野智章さん(35)は「口の中で溶ける感じ。とてもおいしい」と太鼓判を押した。
湯崎英彦知事は、「サミットを控え、県内ではおもてなしの準備を進めている。食はその大事な要素であり、お好み焼きやカキ以外にもおいしいものがたくさんある。サミットを機にそれを知ってもらい、広島ファンを増やしたい」と意欲を示した。
第1弾が比婆牛。全国和牛能力共進会で2大会連続日本一を獲得しているが、頭数の少なさから地元周辺エリアのみで消費されており、「幻の和牛」といわれている。
比婆牛は、脂と赤みのバランスが良く、あっさりしたうま味が特徴。口どけの良さを生かした冷製料理が特にお勧めという。
もも肉の低温蒸しを食べた槙野さんは「比婆牛の名は知っているが、これまで食べたことはなかった。日本酒とも合い、新たな発見」と笑顔で語った。知事も「脂がすっと溶けて滑らかな肉の香りがいい感じだ」と絶賛した。市内の「肉割烹 まさ㐂(き)」では4月28日まで、「未体験の比婆牛おもてなしフルコース」を提供する。
シリーズ第2弾は瀬戸内の魚、第3弾は日本酒をテーマにキャンペーンを行う。
槙野さんは広島の魅力について「帰ってきたなと思える場所であり、空気感が何ともいえない」と述べ、「なかなか広島弁が抜けない」と笑った。
比婆牛をアピールする(右から)湯崎知事、槙野さん、まさ㐂の平賀正樹シェフ