延べ宿泊者数49%減の3億人泊に 現行調査で最低値


コロナ禍 旅行自粛など響く

 全国の宿泊施設における2020年の延べ宿泊者数は、前年比48.9%減の3億480万人泊だった。観光庁の宿泊旅行統計調査の速報値。新型コロナウイルス感染症の影響で、現行の調査手法になった2010年以降で最低値を記録した。前年に比べて日本人の延べ宿泊者数が約4割減、外国人の延べ宿泊者数が約8割減。国のGo Toトラベル事業や地方自治体の旅行費補助など需要喚起策は講じられたが、感染防止に向けた緊急事態宣言による外出・移動の自粛要請などが響いた。

 宿泊旅行統計調査は、全国の旅館・ホテル、簡易宿所、保養所など、全ての宿泊施設の延べ宿泊者数や稼働率を推計している。従業者数10人以上の施設は全てが調査対象。従業者数10人未満の施設は抽出して調査。調査票またはオンラインで毎月調査している。

 20年の延べ宿泊者数の内訳は、日本人が前年比40.3%減の2億8677万人泊、外国人が同84.4%減の1803万人泊。全体に占める外国人の割合は、19年は19.4%に上ったが、20年は5.9%に下降した。

 延べ宿泊者数は全ての都道府県で前年の実績を下回った。下げ幅が最大だった大阪府は63.9%減の1712万人泊。続いて下げ幅が大きいのは、東京都(62.3%減の2979万人泊)▽沖縄県(61.1%減の1280万人泊)▽京都府(59.6%減の1241万人泊)▽山梨県(55.3%減の406万人泊)▽奈良県(52.9%減の128万人泊)▽福岡県(51.9%減の981万人泊)▽千葉県(51.7%減の1413万人泊)▽北海道(50.1%減の1847万人泊)―など。

 下げ幅が小さい都道府県を見ると、減少率が20%台にとどまったのが、山口県(22.7%減の291万人泊)と福島県(23.4%減の970万人泊)の2県だった。

 20年の延べ宿泊者数の前年同月比の推移は、1月は1.1%増だったが、3月は新型コロナの影響が拡大して53.2%減。緊急事態宣言が発令され、宿泊施設の臨時休業も相次いだ4月は80.9%減、5月は84.9%減にまで落ち込んだ。宣言の解除、Go Toトラベルの開始などで、8月は58.6%減、11月には30.5%減にまで下げ幅が縮小したが、感染の再拡大で12月は40.9%減と再び悪化した。

 

 
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