復興庁、東北観光の復興へ有識者会議を設置


 復興庁は、東北の観光産業の復興について有識者に意見を聞こうと、東北観光アドバイザー会議を設置し、初会合を1月22日に東京都内のホールで開いた。座長に観光庁前長官で国土交通省参与の久保成人氏が就任。インバウンドの振興策を中心に議論を深め、3月をめどに提言をまとめる。

 東北地方は、東日本大震災の発生から約5年が経過するが、訪日外国人旅行者数は震災前の水準に回復していない。課題を踏まえて観光産業の活性化策などを検討する。

 初会合では各委員が現状や展望を報告。南三陸ホテル観洋(宮城県南三陸町)の女将、阿部憲子氏は、新しい東北観光のイメージ戦略の必要性、学びの場としての活用などについて語った。

 シンガポールからの訪日旅行を扱うFollow Me Japan社長の西野理佐氏は、旅行者や送客する旅行会社の視点に立った施策の必要性、交流型観光への需要の高さなどを指摘。

 観光庁初代長官で首都大学東京都市環境学部特任教授、観光庁参与の本保芳明氏は、スノーリゾートの整備や国際線の路線網の強化、福島県の観光復興につながる学術交流への支援を提案した。

 座長の久保氏は会議後、報道陣の質問に対し「東北は観光資源の磨き上げ、プロモーションに足りない部分もあるが、伸びしろは大きい。中長期的には多くの外国人が訪れると思うが、今来てもらうための尽力が必要だ」と述べた。

 他の委員就任者は次の通り(敬称略)。

 ステファン・シャウエッカー(ジャパンガイド代表取締役)▽清野智(東北観光推進機構会長、JR東日本会長)▽田川博己(日本旅行業協会会長、JTB会長)▽星野佳路(星野リゾート社長)▽松山良一(日本政府観光局理事長)

 
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