将棋駒の生産量日本一を誇る山形県天童市で4月20、21の両日、天童桜まつり「人間将棋」が開かれた。会場は桜が満開となった天童温泉を一望する舞鶴山山頂。甲冑(かっちゅう)姿の地元の高校生や一般公募の中から抽選で選ばれた駒武者が将棋の対局に合わせ盤上を行き交かった。時代絵巻さながらの光景が観光客を魅了した。
人間将棋は地元の伝統産業である将棋の駒の製造を観光振興に生かそうと、1956年に始まり、今年で64回目を迎えた。春の風物詩となっており、主催者によると、2日間の来場者数は約12万人に上った。
屋外に常設されている将棋盤は縦16.6メートル、横13.8メートル。王将太鼓が響く中、織田信長に扮した演武隊が登場。初日の人間将棋では、宮宗紫野女流2段に加藤結李愛女流2段が対局。
2日目は斎藤慎太郎王座と三枚堂達也6段が対局し、112手で斎藤王座に軍配が上がった。互いに戦国武将になりきった口調で掛け合い、一進一退の戦局をプロの棋士らが解説、会場を沸かせた。
トークショーでは、将棋界で注目を集める藤井聡太7段の師匠・杉本昌隆8段が「藤井聡太7段との出会いと勝負師の側面」を語った。
2日間で12万人が来場した「人間将棋」